琉球エアーコミューター(RAC)が運航する沖縄の宮古-多良間線で、空席不足が続いている。親会社の日本航空(JAL/JL、9201)が、2月に実施している搭乗実績などに応じてたまる「Life Status(LS)ポイント」の2倍キャンペーンにより、いわゆる「マイル修行」と呼ばれる利用が集中し、島民が搭乗できない問題が再び表面化している。今月下旬には、島外から多良間出身者が集まる年に一度の伝統行事が開かれるため、地元の需要が特に高まっている。

宮古-多良間線に投入されているRACのQ400CC=PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
JALは、多良間便をキャンペーンの対象外とした上、2月分の予約は無料キャンセルを受け付け、5日の時点で約150席をひねり出した。これにより、キャンセル分の7割超を島民の足として活用できたものの、十分な空席確保には至っておらず、ほぼ満席の状態が続いている。
そして、2月24日から26日にかけて、その年の干支の年に生まれた人たちが島内外から集まり、旧交を温める合同生年祝賀会(トゥイ会)が開かれる。現在は島外から帰省したい人が予約できず、多良間に戻る足を確保できない状況になっており、島の伝統行事にも影響が及んでいる状況だ。
JALによると、多良間便の空席不足はキャンペーン期間中の2月に集中しており、終了後の3月以降は解消する見通しだという。片道25分と短い宮古-多良間線で搭乗回数を稼ぐ「マイル修行」と、島民の生活や地域の行事を支える離島路線の役割をどう両立させるかが、赤字が常態化している離島路線を維持する上で課題になっている。
航空会社はおおむね10年に一度程度の周期で、天災や紛争、伝染病などの影響を受けることに加え、日本国内では国内線の収益悪化もあり、これまでのように黒字路線の利益で離島などの赤字路線を維持することも限界に達している。
本土の地方路線とは異なり、離島の空港ゆえ運航機材に制約がある点も、空席不足の解消を難しくしている。多良間空港は当初、1971年3月に急患搬送を主目的に旧空港が建設され、現在の新空港へ移転前の滑走路長は800メートルだった。2003年10月10日に開港した新空港は、滑走路長が1500メートルと約2倍になったが、羽田空港のA滑走路(3000メートル)と比べると半分の長さだ。
このため、宮古-多良間線にはRACのターボプロップ(プロペラ)機デ・ハビランド・カナダ(旧ボンバルディア)DHC-8-Q400CC型機が投入されている。1クラス50席で、JALグループでもっとも小さい部類に入る機材だ。滑走路長の制約から機材の大型化が難しく、増便も容易ではないことが、島民の空席確保を難しくしており、今後「マイル修行」で乗る人たちから協力を得られるかが課題だ。
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