日本航空(JAL/JL、9201)の鳥取三津子社長は10月30日、今年8月に起きた元機長(懲戒解雇済み)による飲酒問題ついて、同日開いた2025年4-9月期(26年3月期第2四半期)連結決算の冒頭、陳謝した。JALは11月末に再発防止策の改訂版を国土交通省航空局(JCAB)に提出する。

11月末に再発防止策の改訂版を提出するJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鳥取社長は「飲酒傾向管理の仕組みを中心に外部専門家の見解を踏まえて見直し、11月末に改めて航空局に提出する」と説明。「二度と飲酒に関わる不祥事を起こさないという強い意識のもと、引き続き一丸となって社会とお客様の信頼回復に全力で取り組む」と述べた。
9月30日に提出した再発防止策は、7項目で構成。飲酒傾向管理スキーム・体制の再構築▽経営陣とパイロット全員との対話▽グループ長とパイロットとの対話▽労使一体でのアルコール対策▽パイロットへ踏み込んだアルコール教育▽リーダーへのアルコール問題根絶教育と自組織メンバーへの展開▽全社員を対象とした飲酒リスク低減への取り組み、の7点で、導入時期は項目により異なり、10月から2026年3月にかけて段階的に実施していく。
JALでは、昨年2024年12月1日に豪州メルボルンで飲酒問題が起きた後、8カ月で再発したことや、問題が起きた8月は日航機墜落事故から40年の節目にあたることなどから、再発防止策を徹底させる。
30日に発表した第2四半期連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比9.1%増の9839億円となり、同期の累計では2012年9月の再上場後の過去最高を記録。EBIT(財務・法人所得税前利益)は28.0%増の1097億円、純利益は35.6%増の676億円となった。
2026年3月期の通期予想は、5月2日の発表を据え置いた。売上収益が1兆9770億円(25年3月期比7.2%増)、EBITは2000億円(16.0%増)、純利益は1150億円(7.4%増)を見込む。
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