ボーイング, 機体 — 2025年10月15日 23:37 JST

最大75席の747-8 VIP仕様、内装設計から運航まで一括支援 ボーイングが新提案

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 ボーイングは現地時間10月14日、747-8型機のVIP仕様「747-8 VIP」の包括支援サービスを発表した。内装設計や施工、運航支援まで一括提供する「ターンキー」方式の“おまかせサービス”で、顧客の負担軽減と高品質な内装実現を図る。

747-8 BBJのイメージ(ボーイング提供)

 747-8 VIPは、機体取得から内装設計・施工、納入後の運航支援までを一括して請け負う、いわばコンシェルジュ型のサービス。約5000平方フィート(約465平方メートル)の客室面積を持つ世界最大のVIP機で、専任チームが顧客の要望に応じた設計と施工を担う。

 定員は最大75人で、航続距離は8500海里(約1万5742キロ)。ニューヨーク-バンコク間やドバイ-ロサンゼルス間といった超長距離ルートを無着陸でフライトできる。支援体制としては、ボーイングの部品供給や整備・工学支援を含むグローバルネットワークを活用し、長期運航を支える。

747-8 BBJのイメージ(ボーイング提供)

 ビジネスジェット部門(BBJ)のジョー・ベンソン社長は「747-8はVIP向けや政府専用機として、これまでと同様に最高峰の存在であり続ける」と述べた。

 BBJはボーイングの民間機をベースに、個人、法人、政府向けに多様なカスタム仕様を展開する専門部門。技術基盤を共通化することで、航空機としての信頼性と快適性を両立させている。

 「ジャンボ」や「空の女王」の愛称で親しまれた747の最新型である747-8は全長76.2メートルで、現役の民間航空機の中で最長の機体。旧世代の747と比べて燃費が16%改善し、エンジンはGE製GEnx-2Bを4基搭載したことで静粛性も30%向上した。旅客型の747-8を58機、貨物型の747-8Fを142機の計200機受注し、実際の納入機数は747-8が48機、747-8Fは107機の計155機となった。

 通算1574機目となった最後のジャンボは、アトラスエアー(GTI/5Y)などを傘下に持つアトラス・エア・ワールドワイド向けの大型貨物機747-8F(登録記号N863GT)で、2023年1月31日に引き渡した。

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