エアライン, 企業 — 2025年6月30日 18:00 JST

備蓄米、ANA便で羽田→那覇へ空輸 JA全農が実証

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 JA全農(全国農業協同組合連合会)は6月30日、政府備蓄米を航空便で輸送する実証実験を実施したと発表した。埼玉から沖縄へ、全日本空輸(ANA/NH)の羽田発那覇行き便で空輸し、遠隔地への迅速な輸送体制構築を検証した。

JA全農が落札した政府備蓄米をコンテナへ積み替えるANAグループのスタッフ(JA全農提供)

 輸送したのはJA全農が落札した玄米12トン。埼玉県内の保管倉庫から羽田空港まで陸送し、午後2時45分羽田発のNH475便で那覇へ空輸した。空輸後の玄米は沖縄県内の工場で精米し、県内の小売店などに出荷される。

 JA全農はこれまで、米専用貨物列車「全農号」の運行や船舶により、米穀を輸送。航空輸送はスピードと長距離輸送の両面で優位性があることから、遠隔地からの急な出荷依頼に対応できるよう、航空輸送を実証した。今後も、複数の輸送手段を組み合わせたモーダルミックス(複合輸送)により、全国各地へ安定的・迅速な米の供給に努めたい考え。

 ANAはトランコム(9058)と連携し、昼間便の航空貨物スペースを活用して輸送する新サービス「空飛ぶパレット(ソラパレ)」を2024年8月から始めた。集荷から納品まで空陸一貫で届ける輸送サービスで、物流の輸送能力が不足する「2024年問題」の課題解決も目指している。

羽田空港に到着したJA全農が落札した政府備蓄米(同社提供)

JA全農が落札した政府備蓄米をトラックから降ろすANAグループのスタッフ(JA全農提供)

JA全農が落札した政府備蓄米をコンテナへ積み替えるANAグループのスタッフ(JA全農提供)

コンテナへの積み替えが終了したJA全農が落札した政府備蓄米(同社提供)

JA全農が落札した政府備蓄米を積み替えコンテナを閉じるANAグループのスタッフ(JA全農提供)

関連リンク
全国農業協同組合連合会
全日本空輸

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