官公庁 — 2025年6月9日 14:05 JST

退職予定の自衛官、航空業界の人手不足解消に一役 国交省と防衛省らで再就職後押し

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 国土交通省は6月6日、退職する自衛官の航空業界での再就職を後押しする取り組みについて、防衛省のほか、航空機運航のグランドハンドリング(グラハン、地上支援)業務などを担う関係団体と申合せを締結した。担い手不足に直面するグラハンをはじめとする空港業務や航空運送事業などで、退職自衛官の再就職を後押ししたい考え。

担い手不足に直面するグラハンなどの空港業務。退職自衛の再就職後押しで人手不足解消へ(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国交省・防衛省と申合せを締結した関係団体は、グラハン業務を担う業界団体「空港グランドハンドリング協会(AGHA)」、航空燃料の供給施設を管理する「全国空港給油事業協会」、日本航空(JAL/JL、9201)や全日本空輸(ANA/NH)など国内の航空会社19社が加盟する「定期航空協会(定航協)」、航空事業の調査・研究を担う「全日本航空事業連合会(全航連)」の4団体。採用への広報や業種説明会、職業訓練などにより、関係団体での人材確保と退職予定の自衛官の再就職支援を進めていく。

 自衛官は他者よりも強い「精強性」を維持する必要があることから、一般企業よりも早い時期に退職を迎える。大半が若年定年制で、階級により53-56歳で退職。退職日は自衛官の誕生日のため、年間を通じ退職者が出る。2023年度の退職者数は約7600人で、このうち若年定年退職者は約4200人だった。

関連リンク
国土交通省
防衛省・自衛隊
空港グランドハンドリング協会
定期航空協会
全日本航空事業連合会

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