IATA(国際航空運送協会)は現地時間6月2日、世界の航空会社による今年の純利益予想は360億ドル(約5兆1400億円)になるとの見通しをインドのデリーで発表した。前回2024年12月の予想から6億ドルの下方修正となったものの、前年(24年)の324億ドルからは11.1%改善した。純利益率は3.6%で、前年の3.4%から0.2ポイント改善する見通し。
前回予想では、今年は世界全体の航空収入が初めて1兆ドルを突破し、旅客数は初めて50億人台に達する52億人としていたが、今回予想は過去最高となるものの9790億ドル(前年比1.3%増)、旅客数は49億9000万人(同4%増)に引き下げた。

デリーで開かれている第81回年次総会で航空業界の見通しを説明するIATAのウィリー・ウォルシュ事務総長=25年6月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・利益は1人7.2ドル
・SAFは年間200万トン
・サプライチェーン問題「航空会社を失望させ続けている」
・26年はリオデジャネイロ
利益は1人7.2ドル
デリーで1日から開かれている第81回AGM(年次総会)で、IATAのウィリー・ウォルシュ事務総長は2日、航空会社の増益要因として「最大のプラス要因はジェット燃料の価格だ。2024年と比べて13%下落し、前回の予想を下回っている」と、燃油費の抑制が奏功すると述べた。

デリーで開かれているIATAの第81回年次総会=25年6月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
一方で「360億ドルの利益を上げることは大きな数字だが、1区間の乗客1人当たりわずか7.20ドル(約1026円)相当で、依然としてわずかなバッファーに過ぎない。新たな税金、空港使用料や航行料の引き上げ、需要の急激な変化、コストのかかる規制などは、航空業界の回復力に瞬く間に試練を与えるだろう」と指摘。「8650万人を雇用し、世界経済活動の3.9%を支えるバリューチェーンの中核として航空会社に依存している政策立案者は、この点を明確に認識しておく必要がある」と、各国政府を牽制した。
航空会社の収入のうち、旅客収入は
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