中国のCOMAC(中国商用飛機有限責任公司)は現地時間4月21日、リージョナルジェット機C909型機がベトナムでの商業運航を開始したと発表した。19日にベトジェットエア(VJC/VJ)が開設したハノイ・ホーチミン-コンダオ島の国内2路線に投入した。機材は成都航空(UEA/EU)から、機体のほか乗務員などもセットにした「ウェットリース」で導入した。

ベトジェットエアがリース導入したC909(同社提供)
C909はメーカー標準座席数が2クラス78席、1クラス90-97席で、航続距離は2225-3700キロメートル。2014年12月30日に、CAAC(中国民用航空局)からの型式証明(TC)を取得した。2016年に納入が始まり、四川省に拠点を置く成都航空のほか、2020年には中国国際航空(エアチャイナ、CCA/CA)と中国東方航空(CES/MU)、中国南方航空(CSN/CZ)の大手3社にも引き渡した。当初の名称は「ARJ21」で、2024年11月にC909へ改称した。
ベトジェットは成都航空から2機のC909(登録記号B-652G、B-656E)をウェットリースで導入。座席数は成都航空と同じく1クラス90席を設定する。19日に開設したコンダオ島2路線は、ハノイとホーチミンから1日2往復ずつ運航する。
C909の海外向け初号機(PK-TJA)は、インドネシアのトランスヌサ(TNU/8B)が2022年12月に導入。現在はトランスヌサとラオス国営航空(LAO/QV)、ベトジェットの3社がC909を導入しており、東南アジアで15路線を開設し、25万人以上が利用した。
運航スケジュール
ハノイ→コンダオ
VJ101 ハノイ(06:45)→コンダオ(08:55)
VJ103 ハノイ(09:15)→コンダオ(11:25)
コンダオ→ハノイ
VJ102 コンダオ(11:35)→ハノイ(13:50)
VJ104 コンダオ(14:05)→ハノイ(16:20)
コンダオ→ホーチミン
VJ114 コンダオ(09:20)→ホーチミン(10:05)
VJ116 コンダオ(11:50)→ホーチミン(12:35)
ホーチミン→コンダオ
VJ115 ホーチミン(10:30)→コンダオ(11:10)
VJ117 ホーチミン(13:00)→コンダオ(13:40)
C909
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