羽田空港第2ターミナル本館と北側サテライトを結ぶ接続部が、3月19日から利用できるようになる。これまで本館とサテライトは連絡バスで移動する必要があったが、徒歩で移動できるようになる。

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部の通路=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire
接続部の長さは430メートル、面積は約2万1000平方メートルで、国内線の搭乗口5カ所を設け、50A、50B、51A、51B、52が新設される。このうち、50A/Bと51A/Bの4カ所は「固定橋マルチ運用搭乗口」で、ボーイング737型機やエアバスA320・A321型機クラスの小型機は同時に2機、787などの中型機や大型機は1機駐機できる。
2004年12月1日に開業した本館と今回完成した接続部で結ばれるサテライトは、長さ155メートルで、2018年12月10日に供用開始。現在は46番から48番となっている3つの搭乗口は、本館と直結する19日からは47番から49番に変わる。第2ターミナルでもっとも北側にある保安検査場Aを起点に、もっとも遠い新47番搭乗口までは約10分で、距離にすると約700メートルになる。
接続部の供用開始により、国内線で連絡バスを利用する便は、出発・到着ともに1日あたり4割から2割程度に減少する見込み。

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部の案内表示=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館側53-57番搭乗口とサテライト側47-52番搭乗口の案内表示=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

接続部供用開始後の羽田2タミのスポット(空ビル提供)
ターミナル内では複数人乗りの自動走行モビリティ「iino(イイノ)」を日本で初めて本格導入。低床設計で最大6人が乗車でき、時速2.5キロ(最大5キロ)で走行する。運用時間は午前8時から午後8時までを予定している。
保安検査後エリアには、新たな商業施設も開業。セブンイレブン羽田空港T2出発ゲート店がオープンし、かつてあった江戸前鮨『又こい家』が復活する。
サテライトは、建設当初から本館との接続を想定した構造になっているが、これまでは本館とサテライトの間に政府専用機の発着などに使う貴賓室があったため、連絡バスで結んでいた。貴賓室は、2020年10月に東側貨物地区の北側に新設された新施設へ移転したため、第2ターミナル本館北側とサテライトを結ぶ通路とスポット(駐機場)を整備できるようになった。
第2ターミナル本館と接続されることにより、従来「サテライト」と呼ばれていたエリアの名称は廃止。また、「北ピア」「南ピア」といった名称も使われなくなり、ターミナル内の案内をシンプルにする。

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられる50B搭乗口周辺=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられる50番搭乗口のPBB=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港2タミ本館とサテライト接続工事の増築部(イメージ、日本空港ビル提供)
羽田空港のターミナルは日本空港ビルデング(9706)が運営。第2ターミナルは主に全日本空輸(ANA/NH)が使用している。接続部の供用開始で国内線の搭乗口が増えることから、南側にある66番から70番の搭乗口は国際線専用になる。
日本空港ビルは、接続部に新設した搭乗口5カ所のPBB(搭乗橋)に、放射冷却素材「Radi-Cool(ラディクール)」の塗料を施工。同社が販売代理店を務めるもので、太陽光を反射し、自然現象の熱放射を用いて室内の熱も放射することで、エネルギーを使わずに室温を下げられる。また、接続部のスポット(駐機場)に面したガラス窓の上側には、建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール」を採用し、再生可能エネルギーを有効活用する。
*写真は28枚。

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられる50B搭乗口を紹介するANAのグランドスタッフ=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

3月19日に供用開始となる羽田空港第2ターミナル本館とサテライトの接続部にある52番搭乗口=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

3月19日に供用開始となる羽田空港第2ターミナル本館とサテライトを結ぶ接続部=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部の通路=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire
3月19日に供用開始となる羽田空港第2ターミナル本館(手前)とサテライトの接続部にある52番搭乗口付近=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire[/caption]

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられる52番搭乗口のPBB=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部にある51A・51B番搭乗口付近に置かれた自動走行モビリティ「iino」=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部でデモンストレーション走行する自動走行モビリティ「iino」=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部でデモンストレーション走行する自動走行モビリティ「iino」=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

3月19日に供用開始となる羽田空港第2ターミナル本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられた51B搭乗口付近=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられる50B搭乗口=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられる50B搭乗口周辺=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられる51B搭乗口周辺=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に採用された建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール」=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

3月19日に供用開始となる羽田空港第2ターミナル本館とサテライトを結ぶ接続部に設けられた50B搭乗口付近=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

3月19日に供用開始となる羽田空港第2ターミナル本館(手前)とサテライトの接続部にある51B搭乗口付近=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

3月19日に供用開始となる羽田空港第2ターミナル本館とサテライトを結ぶ接続部の到着口へ向かう通路=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部の到着口へ向かう通路=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部の到着口へ向かう通路=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部にオープンする「又こい家」=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部にオープンする「セブンイレブン」=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部に採用された建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール」=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

羽田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶ接続部について説明する日本空港ビルの髙橋将執行役員(左)とANAの勝岡陽一東京空港支店長=25年3月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire
2タミ接続部
・羽田空港、2タミ本館とサテライト直結 3/19からバス不要、ANA国際線も拡充へ(25年3月10日)
2タミのサテライト
・羽田空港、2タミ本館とサテライト接続へ 25年3月開業(22年8月4日)
・羽田空港、2タミのサテライト公開 ANA系12月から発着、吹き抜けで開放感演出(18年11月22日)
・開放感とゆったりした席で差別化 写真特集・羽田第2ターミナル サテライト(18年11月24日)
羽田の機能強化
・羽田空港、第1ターミナル北側サテライトが26年夏開業 初の木造・鉄骨ハイブリッド構造(24年5月7日)
・羽田空港、2タミ本館とサテライト接続工事 徒歩移動可に、25年春開業(23年4月4日)
・羽田空港、第1と第2ターミナル拡充 22年着工、エプロン改修も(20年12月10日)