フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(4676)は1月21日、臨時取締役会を23日に開催することを明らかにした。各社の報道によると、社外取締役が連名で臨時取締役会の開催を求めたという。

臨時取締役会を23日に開くフジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
フジ・メディアHDの取締役は17人。代表権は嘉納修治会長と金光修社長が持ち、同社の社長や会長を歴任した日枝久氏は代表権を持たない相談役に就いている。
また、取締役の業務執行を監査する「監査等委員会」を設置しており、取締役のうち2人が常勤、3人が非常勤の監査等委員で、非常勤委員には社外取締役であるANAホールディングス(ANAHD、9202)特別顧問の伊東信一郎氏も名を連ねている。
伊東氏は2023年6月にフジ・メディアHDの取締役監査等委員に就任。任期は2025年3月期の定時株主総会までで、連結子会社であるフジテレビの監査役も兼務している。2024年3月期の有価証券報告書によると、伊東氏の所有株式は545株で、株式を持つ取締役の中ではもっとも少なかった。
フジテレビの港浩一社長らは1月17日に、定例会見の形で記者会見を開いたが、同社の意向で参加できた報道機関は、全国紙とスポーツ紙が加盟する「ラジオ・テレビ記者会」の加盟社と、オブザーバー参加が認められたNHKと民放各局に限られた。その上、動画撮影は禁止、写真撮影も冒頭のみにフジテレビ側が制限するという、報道機関が開いた会見とは到底思えない形態や内容となり、港社長の発言なども含めて批判が高まっている。
この会見の影響で、スポンサー各社がCM放映を見合わせ。フジテレビの報道によると、20日までに75社が見合わせており、公益社団法人ACジャパンの公共広告への差し替えは350本以上にのぼるという。
フジ・メディアHDは「臨時取締役会において公表すべきことが決議された場合は、速やかに公表いたします」としている。
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フジ・メディア・ホールディングス
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伊東氏は22年に会長を退任し特別顧問
・ANAHD、福澤専務が代表権ある副社長 第3ブランド準備部はエアージャパン移管 4月1日付役員人事と組織改正(22年3月8日)
・東京都写真美術館、ANAHD伊東会長が館長に(16年3月31日)
