エアライン, 官公庁 — 2024年5月24日 11:37 JST

国交省、JALへ臨時監査 翼端接触などトラブル相次ぐ

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 国土交通省航空局(JCAB)は5月24日、日本航空(JAL/JL、9201)に対して航空法に基づく臨時の監査を実施した。羽田空港で、23日に隣り合う2機のエアバスA350-900型機(登録記号JA02XJ、JA09XJ)の主翼先端同士が接触するなど、トラブルが相次いでいるためで、羽田の整備地区にあるJALメインテナンスセンター1(M1ビル)などに対して監査に入った。

国交省の臨時監査を受けたJAL(写真はA350-900 JA09XJ)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALでは23日に起きた接触トラブル(関連記事1)のほか、今月10日に羽田行きJL312便(ボーイング787-8型機、JA847J)が滑走路手前の誘導路上で停止し、JALグループのジェイエア(JAR/XM)が運航する松山行きJL3595便(エンブラエル170型機、JA214J)が離陸を中止するトラブルがあった(関連記事2)。JCABによると、航空法が定める「重大インシデント」には該当しないトラブルだった。

 国内のほか、海外でもトラブルが起きており、2023年11月5日にはシアトル・タコマ国際空港で成田発JL68便(767-300ER、JA619J)がシアトル空港に3本ある滑走路のうち、ターミナルからもっとも離れた滑走路(RWY16R)へ着陸後、管制官の許可を得ずに中央の滑走路(RWY16C)を横断した。今年2月6日には、米サンディエゴ国際空港を出発する成田行きJL65便(787-8、JA836J)が誘導路B10にある停止線を越え、滑走路(RWY9)の手前で停止した(関連記事3)。

 今回の臨時監査では、M1ビルに入居するグループ整備会社のJALエンジニアリング(JALEC)など、関係者への聞き取りや書類の確認、再発防止策の実施状況などを確認したほか、トラブルが起きた要因の分析状況などを調べた。臨時監査は週明けの27日にも予定する。

 JALは「監査を真摯に受け止める。当局からのご指導を踏まえ、信頼回復に努める」とコメントした。

関連リンク
国土交通省
日本航空

羽田空港、JALのA350翼端同士が接触 札幌行き503便と搭乗前505便(24年5月23日)
福岡空港、JAL機が滑走路接近しジェイエア機が離陸中止 (24年5月13日)
国交省、JALに抜き打ち監査 米2空港で滑走路無許可横断や停止線越え(24年2月15日)