エアバス, エアライン, 機体, 空港, 解説・コラム — 2024年4月19日 09:30 JST

JALのA350、札幌行きJL521便が無線機故障 ライトガンで着陸許可

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 4月18日午後、日本航空(JAL/JL、9201)の羽田発札幌(新千歳)行きJL521便(エアバスA350-900型機、登録記号JA02XJ)が、函館の東約30キロ地点を飛行中に無線機が故障し、管制官と交信できなくなった。新千歳空港へは管制官から「ライトガン」による光の信号で着陸許可を得て着陸した。この影響で同じ機材を使う羽田-札幌線の3便が欠航となり、合わせて約380人に影響が出たが、19日の運航は通常通りだという。

無線機が故障したJALのA350-900 JA02XJ(資料写真)=22年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 無線機が故障したJL521便は、乗客207人(幼児なし)と乗員11人(パイロット2人、客室乗務員9人)を乗せ、羽田の11番スポット(駐機場)を定刻より16分遅れの午後3時46分に出発。C滑走路(RWY34R)から午後4時2分に離陸した。

 新千歳にはB滑走路の南側(RWY01R)へ午後5時31分に着陸し、37分遅れの同37分に到着した。空港南側の苫小牧市付近上空を午後5時8分ごろから20分ほど旋回して着陸した。JALによると、羽田で出発が遅れたのは管制の指示による出発の順番待ちなどで、出発時に無線機は正常に作動していたといい、着陸時に管制官へ緊急着陸の要請はしていないという。

 新千歳に到着後、無線機を調べたところ、通話ボタンが内部で押されたままの状態になっていた。通常はボタンを押した時だけコックピットから地上に交信できるが、無線機内部では通話状態のままになっていたことから、詳しい原因を調べている。

 ライトガンは空港の管制塔に常備されており、航空機と無線通信ができない場合に、光の信号で必要な指示を航空機へ送るもの。JL521便のトランスポンダから、無線機の故障を知らせるコード「7600」が発せられたことから、管制官はライトガンで指示を出した。

 このトラブルの影響で、同じ機材で運航する折り返しの札幌発羽田行きJL522便、羽田発札幌行きJL531便、札幌発羽田行きJL528便の計3便が欠航となった。JALが国土交通省航空局(JCAB)に報告したところ、航空法に定められている「航空事故」につながりかねない「重大インシデント」には該当しないと判断された。

 JALはA350-900を2019年から国内線に投入。16機受領したが、今年1月2日に起きた羽田事故で13号機(JA13XJ)が全損となり、現在は1機減の15機体制。代替機は2025年度下期に1機受領する。

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