エアライン, 需要, 需要実績 — 2024年3月9日 06:00 JST

23年の航空需要、コロナ前9割超に回復=IATA旅客実績

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 IATA(国際航空運送協会)が発表した2023年暦年の世界旅客輸送実績によると、国際線と国内線の合計は、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)が前年比31.0%増、有償旅客の輸送距離を示すRPK(有償旅客キロ)が36.9%増となった。新型コロナウイルス前の2019年と比較するとASKは5.6%減、RPKは5.9%減で、コロナ前をやや割り込んでいるものの、9割以上まで回復した。ロードファクター(座席利用率、L/F)は3.6ポイント上昇(19年比0.3ポイント低下)の82.3%だった。

23年暦年の世界旅客輸送実績(IATAの資料からAviation Wire作成)

–記事の概要—
国内・国際線合計
国際線
国内線

国内・国際線合計

コロナ前の9割超に回復した23年の航空需要=23年10月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 対象は日本を含むアジア太平洋と、欧州、北米、中東、中南米、アフリカの6地域で、航空会社の国籍を基準に調査。国際線と国内線の合計を地域別で見ると、アジア太平洋地域はASKが75.1%増(12.3%減)、RPKが96.3%増(14.0%減)で、L/Fは8.7ポイント上昇(1.6ポイント低下)の80.3%だった。

 L/Fは6地域すべてで前年を上回った。欧州は3.1ポイント上昇(0.8ポイント低下)の84.4%、北米が0.9ポイント上昇(0.4ポイント低下)の84.4%、中東が4.7ポイント上昇(3.8ポイント上昇)の80.0%、中南米が1.8ポイント上昇(0.7ポイント上昇)の83.2%、アフリカが0.5ポイント上昇(1.0ポイント上昇)の72.8%だった。

 ASKとRPKは6地域すべてで前年を上回った。

 RPKから割り出した地域別の旅客輸送シェアは、アジア太平洋地域が31.7%(前年比9.6ポイント上昇)、欧州が27.1%(3.7ポイント低下)、北米が24.2%(4.6ポイント低下)、中東が9.4%(0.4ポイント低下)、中南米が5.5%(0.9ポイント低下)、アフリカが2.1%(前年並み)となった。

国際線

 国際線は、全体のASKが34.4%増(19年比12.3%減)、RPKが41.6%増(11.4%減)。L/Fは4.2ポイント上昇(0.8ポイント低下)し82.8%だった。地域別で見ると、アジア太平洋地域はASKが2.01倍(29.3%減)、RPKが2.26倍(27.3%減)で、それぞれ大きく増加。L/Fは9.0ポイント上昇(2.2ポイント上昇)し83.1%となり、回復が加速した。

 L/Fは6地域すべてで前年を上回った。欧州は3.1ポイント上昇(1.8ポイント低下)の83.8%、北米が3.9ポイント上昇(0.6ポイント上昇)の84.6%、中東が4.4ポイント上昇(3.8ポイント上昇)の80.1%、中南米が2.1ポイント上昇(1.9ポイント上昇)の84.7%、アフリカが0.2ポイント上昇(0.5ポイント上昇)の71.9%だった。

 ASKとRPKは6地域すべてで前年を上回った。

 旅客輸送シェアのうち、国際線は全体の60.1%を占め、前年から2.0ポイント上昇。地域別では、アジア太平洋地域が14.7%(前年比5.8ポイント上昇)、欧州が23.7%(2.8ポイント低下)、北米が8.1%(0.6ポイント低下)、中東が9.1%(0.3ポイント低下)、中南米が2.7%(0.1ポイント低下)、アフリカが1.8%(前年並み)だった。

国内線

 各地域の国内線は、全体のASKが26.3%増(6.5%増)、RPKが30.4%増(3.9%増)。L/Fは2.6ポイント上昇(2.1ポイント低下)し81.5%だった。

 国内線の調査対象は、日本と中国、インド、米国、ブラジル、豪州の6カ国。日本はASKが7.3%増(5.1%減)、RPKが30.7%増(3.2%減)で、L/Fは13.5ポイント上昇(1.5ポイント上昇)の75.2%だった。

 L/Fは米国のみ前年を下回った。中国は11.3ポイント上昇(8.2ポイント低下)の76.4%、インドは5.7ポイント上昇(0.3ポイント低下)の87.1%、米国が0.6ポイント低下(1.2ポイント低下)の84.0%、ブラジルが1.5ポイント上昇(2.0ポイント低下)の80.7%、豪州が1.1ポイント上昇(0.2ポイント低下)の80.5%だった。

 ASK・RPKとも6カ国すべてで前年を上回った。中国はASK・RPKともに前年の2倍以上の伸びとなった。

 旅客輸送シェアのうち、国内線は全体の39.9%を占め、前年比2.0ポイント低下。国別では、日本が1.1%(前年比0.1ポイント低下)、中国が11.1%(4.7ポイント上昇)、インドが1.8%(0.2ポイント低下)、米国が15.4%(3.8ポイント低下)、ブラジルが1.2%(0.3ポイント低下)、豪州が0.8%(0.2ポイント低下)だった。

関連リンク
IATA

22年の航空需要、アジア国際線で回復顕著に 水際緩和で増加=IATA旅客実績(23年2月14日)


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