ボーイング, 官公庁, 機体 — 2023年11月23日 12:00 JST

最大の737MAX「737-10」認証飛行試験始まる FAAが許可

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 ボーイングは現地時間11月22日(日本時間23日)、FAA(米国連邦航空局)から737-10(737 MAX 10)の認証飛行試験の開始を許可されたと発表した。小型機737 MAXのうち胴体長が最長の機体で、製造国が安全性を認める「型式証明」(TC)の年内取得を目指す。

FAAから認証飛行試験開始を許可された737-10(ボーイングのXから)

 737-10は、737の発展型である737 MAXファミリーの中で胴体長がもっとも長い「最大の737 MAX」で、最大座席数は1クラス230席。日本の航空会社では、スカイマーク(SKY/BC、9204)が737-10を発注済み。

 737-10がローンチしたのは、6年前の2017年に開かれた第52回パリ航空ショー。昨年のファンボローで100機発注したデルタ航空(DAL/DL)は、737-10のTC取得が遅れた際は737 MAXの他機種へ移行できるなどの項目が契約に盛り込まれた。今年6月のパリ航空ショーでは、エア・インディア(AIC/AI)が737 MAXを190機発注したが、737-10の“指名買い”は見られなかったため、年内のTC取得が世界の航空会社にとって関心事と言えそうだ。

パリ航空ショーで飛行展示を披露する737-10飛行試験機=23年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

パリ航空ショーで公開された737-10飛行試験機のコックピット=23年6月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737 MAXの基準となる標準型は、737-800の後継となる2016年1月に初飛行した737-8(737 MAX 8、1クラス189席)。もっとも胴体が短い機体が737-700の後継機737-7(737 MAX 7、同172席)で、737-8の座席数をLCC向けに増やした737-8-200(737 MAX 200、同210席)、737NG(次世代737)で最大サイズだった737-900/-900ERの後継機737-9(737 MAX 9、同220席)もそろえる。胴体長は、737-7が35.56メートル、737-8が39.52メートル、737-9が42.16メートル、737-10は43.8メートルで、もっとも短い737-7と比べて737-10は8メートル以上長い。

 737-10は、コックピット内の警告システム「EICAS(Engine Indicating and Crew Alerting System:エンジン計器・乗員警告システム)」を巡り、737-8などほかの737 MAXとは別のコックピットとして扱われ、パイロットのライセンスを共通化できなくなる可能性があったが、米議会が警告システムの搭載を免除する改正法案を2022年末に可決したことで回避した。



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