エアライン, ボーイング, 機体 — 2023年11月15日 15:28 JST

通算1000機目の787、シンガポール航空が受領 787-10の20機目

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 ボーイングは現地時間11月14日(日本時間15日)、1000機目の787型機となる787-10(登録記号9V-SCP)をシンガポール航空(SIA/SQ)へ引き渡したと発表した。機首の左右には1000機目を記念したロゴが描かれた。

1000機目の787となったシンガポール航空の787-10に描かれる記念ロゴ(ボーイングのXから)

 1000機目の787は、シンガポール航空では20機目の787-10。最終組立工場がある米サウスカロライナ州ノースチャールストンを現地時間10月28日に出発し、中部空港を経由して翌29日にシンガポールのチャンギ国際空港へ到着した。

 787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成。787-10は787-9の胴体を5.5メートル延長したもので、全長は68メートルとなり、大型機777-200より4.3メートル長い。シンガポール航空は787-10を世界で初めて運航した航空会社で、初号機(9V-SCA)は2018年3月28日にチャンギへ到着した。アジア太平洋地域では最多の運航機数を誇る。

チャンギ空港で787-10初号機のビジネスクラス新シートを紹介するシンガポール航空の客室乗務員=18年3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 座席数は2クラス337席(ビジネス36席、エコノミー301席)で、観光客が多い中距離路線を中心に投入。シートは、日本路線などアジア域内路線用に新開発したもの。ビジネスクラスは、1-2-1席のスタッガード配列のステリア・エアロスペース製フルフラットシートを採用。既存の2-2-2席配列と異なり、全席が通路に面している。エコノミークラスはレカロ製の3-3-3席配列で、6段階に調整可能なヘッドレストを備える。エンジンはロールス・ロイス製トレント1000の改良型「トレント1000 TEN」を採用した。

 ボーイングの受注履歴によると、10月31日時点の受注は787-8が668機、787-9が1341機、787-10が278機。引き渡し済みは787-8が395機、787-9が606機、787-10は92機で、受注残は787-8が29機、787-9が570機、787-10が151機となっている。このうち、シンガポール航空向けの787-10は納入済みが20機、受領待ちが11機となっている。

1000機目の787となったシンガポール航空の787-10(ボーイングのXから)

1000機目の787となったシンガポール航空の787-10(ボーイングのXから)

チャンギ空港に到着するシンガポール航空の787-10初号機=18年3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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