エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2023年6月21日 13:34 JST

ANA、767就航40周年 羽田発松山行き記念便に“再投入”、歴代制服CAら華添える

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 全日本空輸(ANA/NH)グループは6月21日、ボーイング767型機の就航40周年を迎えた。記念日となった21日は、40年前と同じ羽田-松山線で記念フライトを運航し、通常は787で運航する同路線に767を“再投入”。767の現役機長や歴代制服の客室乗務員らがイベントに登場し、40周年に華を添えた。

ANAの767就航40周年記念便となった羽田発松山行きNH589便を見送るANAグループ社員=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
767機長「鍛えてくれる機体」
成田では遊覧飛行と撮影ツアー
29年間で97機導入

767機長「鍛えてくれる機体」

 記念フライトの対象便となったのは、正午に羽田を出発する松山行きNH589便。同便が出発した羽田空港第2ターミナルの58番搭乗口付近では、767の機長や就航当時の7代目から現在の10代目まで、歴代制服を着用した客室乗務員4人との撮影スペースを設置した。乗客には記念のストラップとステッカーをプレゼントした。

ANAの767就航40周年記念イベントに参加する中里機長(右から4人目)と客室乗務員ら=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 同便の出発前に、767の中里恭洋機長があいさつした。中里機長は767の就航年と同じ1983年生まれ。2011年に副操縦士となり、777のパイロット経験後、2022年に767の機長に昇格した。中里機長は767について「自分の操縦がダイレクトに伝わる飛行機らしい飛行機。自分を鍛えてくれる機体」と表現し、愛着のある姿勢を見せた。

 羽田-松山線には通常、787で運航しているが、記念日となった21日のみ767を“再投入”した。羽田発松山行きNH589便に投入したのは国内線仕様の767-300ER(登録記号JA615A)で、224人(うち幼児3人)が利用し、パイロット2人、客室乗務員6人の計8人で運航した。同便は羽田空港58番駐機場を午前11時59分に出発し、ANAグループの社員が横断幕で見送った。

 ANAの767は40年前の1983年6月21日に就航。767-200を羽田-松山線と伊丹-松山線に投入した。

ANAの767就航40周年記念イベントで乗客に配った記念ストラップとステッカー=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

成田では遊覧飛行と撮影ツアー

 ANAグループは767の就航40周年企画を進めており、6月21日の記念フライトも企画の一環として運航した。今後は成田空港での遊覧フライトと撮影ツアーも予定する。

 成田空港を発着する遊覧フライトは6月24日に実施する。当日は正午ごろに成田を出発し、午後2時30分ごろに成田へ戻る。遊覧フライトには国際線仕様の767-300ERを投入する。

 成田の格納庫での撮影ツアーは7月1日と2日の2日間で、両日とも午前と午後に開催する。撮影時間はいずれも75分を予定する。

 遊覧フライトとツアーの参加者にはフライトタグやステッカー、40年の歴史をまとめたフォトブックを記念品としてプレゼントする。

29年間で97機導入

 ANAは1983年4月に、767-200の同社向け初号機(JA8479)を受領。最終号機(767-300ER、JA627A)を受領した2012年3月までの29年間で97機を導入した。内訳は旅客機の767-200が25機、767-300が34機、767-300ERが33機で、貨物機の767-300Fは5機受領した。

ANAカーゴが運航する767F=20年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 現在保有しているのは旅客機は767-300ERのみで、国内線仕様機(2クラス270席:プレミアムクラス10席、普通席260席)が9機、国際線仕様機(2クラス202席:ビジネス35席、エコノミー167席)は6機。国内線は羽田発着の広島や熊本、秋田などに投入し、国際線は中国路線を中心に運航している。

 中型貨物機の767Fは9機で、このうち4機が新造機の767-300F。残り5機はANAが旅客機として運航していた767-300ERを貨物機に転用した767-300BCF(ボーイング・コンバーテッド・フレーター)となる。貨物機はANAグループの貨物事業会社ANAカーゴ(ANA Cargo)が運航する。

 保有していた4機種の767のうち、767-200は2004年3月まで、767-300は2020年8月まで、それぞれ運航した。ANAによると、767の全退役の時期は現時点で未定だという。

ANAの767就航40周年記念イベントを彩った767-200の同社向け初号機の飛行機模型=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAの767就航40周年記念イベントに参加する中里機長らを撮影する羽田発松山行きNH589便の乗客ら=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAの767就航40周年記念イベントであいさつする中里機長=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAの767就航40周年記念便となった羽田発松山行きNH589便の列に並ぶ乗客=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAの767就航40周年記念便となった羽田発松山行きNH589便の乗客に記念品を渡す客室乗務員ら=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

横断幕を掲げANAの767就航40周年記念便となった羽田発松山行きNH589便を見送るANAグループ社員=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAの767就航40周年記念便となった羽田発松山行きNH589便を見送るANAグループ社員=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAグループ社員に見送られ羽田を出発したANAの767就航40周年記念便の松山行きNH589便=23年6月21日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸
ANA ボーイング767就航40周年記念サイト
ボーイング767型機就航 40周年記念イベントin成田(ANA)

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