エアライン — 2023年4月26日 20:07 JST

搭乗前のトイレで150kg軽量化 JAL、乗客と「かくれなビリティ」でCO2削減

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 日本航空(JAL/JL、9201)は4月26日、ゴールデンウイークの繁忙期前に飛行機を使った移動でサステナビリティ(持続可能性)について知ってもらおうと、羽田空港の第1ターミナルの搭乗口付近で「かくれナビリティ」をキーワードにした動画の放映を始めた。

羽田空港で「かくれナビリティ」の動画を説明するJALの西岡主任=23年4月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 動画では、搭乗時刻に間に合う、搭乗前にトイレに行く、降りる前に窓のシェード(日よけ)を降ろすといった、ひとり一人の小さな心掛けの積み重ねを隠れたサステナビリティ「かくれナビリティ」と名づけ、駐機中や運航中のCO2(二酸化炭素)排出量削減につながることに理解を求めている。

 定刻通りに出発すると、遅延回復のために運航速度を速める必要がなくなり、搭乗前にトイレで用を足すことで一人あたりの重量が軽くなる。窓の日よけを下げると機内の温度を一定に保てるため、冷暖房の使用を抑えられる。

 JALのESG推進部企画グループの西岡桃子主任によると、国内線で使用している大型機のエアバスA350-900型機の運航便では、乗客全員が搭乗前にトイレを済ませたと仮定すると、1便あたり150キログラム軽くでき、CO2排出量を112リットル削減できるという。「1便1便としては小さな取り組みですが、塵も積もればかなり大きな削減になります」と話していた。

 また、排出したCO2の埋め合わせができる「カーボンオフセット」も、ノルウェーのCHOOOSE社の仕組みを使い、JALのウェブサイトから支払うことができる。札幌(新千歳)-那覇間では、444円程度でオフセットできるという。


 西岡さんは「サステナビリティというとエコのイメージが強いと思います。飛行機はCO2をかなり排出するので、削減に取り組まなければなりませんが、JALでは旅先の人との関係人口拡大で地元の産品を買う、使うなど、地域活性化につなげていきたいです」と抱負を語った。

 JALは自社のTwitterやFacebook、Instagramのアカウントで動画を配信しており、国内空港も羽田を皮切りに準備が整った空港から案内表示板を通じて動画を流し、ゴールデンウイークの空の旅を契機に、サステナビリティに関心を持ってもらう。

羽田空港で公開されたJALの「かくれナビリティ」の動画=23年4月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で公開されたJALの「かくれナビリティ」の動画=23年4月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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JAL’s now【公式】(Twitter)
日本航空

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