エアライン, 官公庁 — 2022年8月31日 17:10 JST

ANA、CA飲酒で社内に相談窓口 サポート強化=再発防止策

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のANAウイングス(AKX/EH)は8月31日、同社の女性客室乗務員が乗務前日に規定を超える飲酒をして乗務できず、国土交通省航空局(JCAB)から厳重注意を受けたことに対する再発防止策を同省へ提出した。社内で健康問題をサポートする体制を新たに構築するほか、社員への教育体制の強化、社内環境の再構築などで再発防止を目指す。

客室乗務員の飲酒で国交省に再発防止策を提出したANAウイングス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新たに取り組む再発防止策は3つで、アルコールを含む健康問題を相談できる窓口を設けるほか、受入出向社員や転籍者に対する教育体制を強化する。また、匿名のアンケートや少人数でのディスカッションを通じ、スムーズに社内報告できる環境を再構築する。

 3つの再発防止策は10月から本格的に開始し、年内の展開完了を見込む。

 このほか、全社員向けの社長メッセージや安全統括管理者メッセージにより周知し、臨時会議やコンプライアンス教育の強化などで、アルコール問題の再発防止を目指す。

 ANAウイングスの飲酒問題は7月29日に発生。この日の岩国発羽田行きNH632便(ボーイング737-800型機、登録記号JA69AN、乗客75人)に乗務予定だった女性客室乗務員1人が、乗務前日に規定を超える飲酒をして乗務できなかった。本来は同便に4人の客室乗務員が乗務する予定だったが、乗客が少なかったことで規定に定められた最少人数の3人で運航した。

 飲酒した客室乗務員は、29日のNH632便に乗務予定だった4人のうち、20代の女性3人。客室乗務員AとBは、会社の運航規程で定められた乗務開始12時間前を超えて飲酒し、規定を超える量を飲んでいた。客室乗務員Aは、乗務前に3回行われたアルコール検査でアルコールが検出され、前夜に飲酒したことを報告しなかったことから、会社が当該便の乗務を認めなかった。

 客室乗務員BとCからは、乗務前のアルコール検査でアルコールは検出されなかったが、客室乗務員Aからアルコールが検出されたことを知りながら、前夜の飲酒を会社に報告しなかった。

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