エアライン, 解説・コラム — 2022年7月16日 06:00 JST

JALのCAチアダンス「JETS」2年半ぶり本格始動 コロナ前後で活動内容に変化

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 日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員によるチアダンスチーム「JAL JETS(ジャルジェッツ)」が、およそ2年半ぶりに活動を本格化した。新型コロナウイルスの影響によりイベントが軒並み中止となったが、社会活動の再開に伴い各種イベントも徐々に復活。地域貢献活動や各企業のPRイベントなどを担うJETSの活動も、平時に戻りつつある。

 コロナ前とコロナ後での活動の違いは。コロナ中は何をしていたのか──。7月30日に千葉・九十九里で開催される「山武市サマーカーニバル」でのパフォーマンスに向け、練習に汗を流す客室乗務員4人に話を聞いた。

山武市サマーカーニバルでのパフォーマンスに向け練習を進めるJAL JETSの(左から)小林さん、竹田さん、羽邑さん、吉田さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
6月にイベントPR再開
コロナ後はJETS自身で情報発信

6月にイベントPR再開

 JAL JETSは1986年に創部。今年で36周年を迎える。現在の部員は15人で、山武市のサマーカーニバルでは小林藍さん(09年入社)と竹田結さん(16年入社)、羽邑すみれさん(18年入社)、吉田萌里さん(19年入社)の4人がパフォーマンスを披露する。羽田空港の新整備場地区にある客室乗務員の訓練施設で練習を重ね、半月後に迫った本番に向け、通常の乗務同様に細かな連携や確認が進む。

 JETSがコロナ前にパフォーマンスを披露したのは、2019年11月が最後。JALのラグビー部「JAL WINGS」の試合でのハーフタイムだった。約2年半後の今年6月、千葉・富里市の観光交流拠点「末廣農場」のオープンイベントでPR活動を再開させた。

 “活動休止”状態となった2年半の間、彼女たちは何をしていたのか。小林さんはビデオ会議ツールのZOOMを使い、自宅での自主練習や筋力トレーニングなどをしていたと話す。その後、1回目の緊急事態宣言が明けた2020年夏に、対面での練習を再開。「これまではZOOMでの練習だったため、振り付けを合わせるのが大変だった」ようで、久々の練習で「筋肉痛になった」と笑う。

練習に励むJAL JETSの(右から)羽邑さん、小林さん、吉田さん、竹田さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

コロナ後はJETS自身で情報発信

 竹田さんは「コロナ前は仕事をもらう立場だったが、コロナ後は自ら発信するようになった」とコロナ前後の変化を明かした。コロナ後はYouTubeでのストレッチ動画配信や、昨年夏に開催された東京五輪・パラリンピックのウェルカム動画作成など、JETS自身で情報を発信。「いい転機になった」と振り返る。

 このほか「割く時間がなかった」(竹田さん)新人勧誘にも注力できるようになったという。その結果、コロナ中に8人に新入部員の獲得に成功。現在は部員15人で活動する。サマーカーニバルでパフォーマンスを披露する羽邑さんと吉田さんの2人も、コロナ中に入部した新入部員だ。

 羽邑さんはコロナ流行直後の2020年3月に入部。国際線への移行訓練で一緒になった同僚から誘われたことがきっかけだった。2021年5月に入部した吉田さんは、乗務で一緒になった人から誘われたことに加え、就活生時代に「ニコニコ超会議」でJETSに興味を持ったという。

 新しく入部した2人はZOOMで練習を重ね、緊急事態宣言明けに先輩部員と初めて“対面”。とても感動した、と口をそろえる。羽邑さんと吉田さんは、サマーカーニバルでPR活動デビューを果たす。

振り付けを確認するJAL JETSの(右から)羽邑さん、竹田さん、吉田さん、小林さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

  ◇  ◇  ◇

 JALの客室乗務員は、4日間勤務して2日間休む「4勤2休」がおもなシフトパターンだ。JETSのメンバーはシフトを極力合わせてもらっているようで、6日に1回集まれるようになっている。1日3時間程度練習するものの、1カ月で5回集まれればいい方なのだそうだ。

 JALの場合、1年目は国内線に乗務するが、2年目以降は国内線に加え国際線にも乗務するのだという。メンバー4人は練習日の翌日以降もロンドンやニューヨーク、バンコク、ダラスへ乗務が控えており、乗務終了後に羽田の練習拠点に戻る。

 入部歴に関係なく、部員それぞれがパフォーマンスをチェック。みんなで意見を出し合うなど、業務同様の“風通しの良さ”も印象的だった。

 部員は吉田さんがデザインしたおそろいのTシャツを着用。気持ちを1つにして練習し、本番に臨む。新入部員2人の“PRデビュー”ももうすぐだ。

練習に励むJAL JETSの(右から)羽邑さん、吉田さん、竹田さん、小林さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

振り付けを確認するJAL JETSの(右から)小林さん、吉田さん、竹田さん、羽邑さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

練習に励むJAL JETSの(右から)小林さん、竹田さん、羽邑さん、吉田さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

振り付けを確認するJAL JETSの(右から)羽邑さん、小林さん、竹田さん、吉田さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

練習に励むJAL JETSの(右から)羽邑さん、小林さん、吉田さん、竹田さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

山武市サマーカーニバルでのパフォーマンスに向け練習を進めるJAL JETSの(右上から時計回りで)羽邑さん、竹田さん、小林さん、吉田さん=22年7月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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