エアライン, 空港 — 2021年12月15日 23:43 JST

福岡空港、国内線でグラハン車両の共用化検証 ANAやJALなど5社24台参加

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 福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は、飛行機のトーイングカー(牽引車)など空港のグランドハンドリング(地上支援)業務に使用するGSE(航空機地上支援車両)の将来的な共有化に向けた実証実験を12月16日から始める。今年7月から国際線で1カ月間検証し、今回は国内線で29日まで約2週間実施する。

*実証実験の様子はこちら

GSEの共用を検証する福岡空港のANAとJALのロゴが入ったトーイングカー(FIAC提供)

 GSEは、各航空会社のグループ会社などが別々に所有・運用しており、現在は空港内のGSE置き場から使用するスポット(駐機場)へ移動させている。福岡空港には、現在11車種約2000台のGSEがあり、このうち国内線では約1300台、国際線は約700台が使われている。今回の実証実験では、各社が所有するGSEを国内線ターミナルの1番から12番までの各スポット周辺に配置する「オンスタンド型」で実施し、共用することで総台数の削減や移動距離の短縮による効率化、安全性向上につながるかを検証する。

 参加企業は、全日本空輸(ANA/NH)の運航便のグラハンを担うANA福岡空港、日本航空(JAL/JL、9201)、JAL便を担当するJALグランドサービス九州、スカイマーク(SKY/BC)、フジドリームエアラインズ(FDA/JH)便を担う鈴与グループのエスエーエスの5社。各社が所有するGSEのうち、航空機の牽引に使うトーイングカー、貨物や手荷物の搭載に使うベルトローダーとハイリフトローダーの計3車種24台をオンスタンド型で運用する。例えば、ANA便のグラハンをJALのGSEで実施するといった運用を実施する。

 7月27日から8月27日まで1カ月間実施した国際線の実証実験には、受託便のグラハンを実施しているANA福岡空港とJAL、JALグランドサービス九州、西鉄エアサービスの4社が参加。国際線ターミナル側の50番から54番までの4スポットで、トーイングカー、ベルトローダー、ハイリフトローダー、パッセンジャーステップ車(タラップ車)の4車種18台で検証した。

 いずれも国土交通省航空局(JCAB)が2020年1月に出した「グランドハンドリング アクションプラン」に基づくもの。7月の実証実験前から、ANAとJALでは国内線で先行して一部GSEの共用を始めている。現在は各社がGSEを所有しているが、将来的には共同所有や第三者が所有するGSEを共有することも視野に入れている。

 また、今回の実証実験と並行して、GPSを活用したGSEの動態調査や、電動車両など先進機材の調査や検討も実施。グラハンの高度化とCO2(二酸化炭素)排出量削減を目指す。

GSEの共用を検証する福岡空港に置かれたスカイマークのGSE(FIAC提供)

GSEの共用を検証する福岡空港に置かれたエスエーエスのGSE(FIAC提供)

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