エアライン — 2021年8月24日 16:02 JST

ANA、ピーチへ国内10便移管 冬ダイヤ、ワクチン後の観光需要増見込む

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 全日本空輸(ANA/NH)などANAグループは8月24日、2021年度下期の路線計画を一部変更すると発表した。冬ダイヤ(10月31日から22年3月26日)期間が対象で、沖縄や北海道路線を中心に国内4路線のうち5往復10便分をグループLCCのピーチ・アビエーション(APJ/MM)へ移管する。観光路線に強いピーチへ移すことで、新型コロナウイルスのワクチン接種で予想される需要増加に備え、収益の最大化を図る。

国内線の一部をピーチへ移管するANA(上)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
国内線
国際線
貨物

国内線

 国内線は、羽田発着の幹線を中心に増便する一方、地方路線を中心に11路線で減便を計画。このうち中部-札幌(新千歳)と中部-那覇、福岡-那覇の3路線は、減便分をピーチ運航に切り替える。また運休する福岡-石垣線も、ピーチへ移管する。

 減便は11路線で、3路線はピーチ運航に切り替える。対象3路線のうち、1日5往復の中部-札幌線は3-4往復に、同3往復の中部-那覇線は2-3往復に、同9往復の福岡-那覇線は7往復に、それぞれ減便となる。3路線ともピーチの既存便で、移管後は1日2往復の中部-札幌線を3往復に、同1往復の中部-那覇線は2-3往復に、同3往復の福岡-那覇線は5往復に増便となる。今回の計画ではANA便は減便となるが、ピーチを含めたANAグループとしては便数を維持する見通し。

 これらの路線は、いずれもボーイング737-800型機(2クラス166席)で運航している。移管後はピーチのエアバスA320型機(1クラス180席)で運航する。

 このほか1日4往復の羽田-富山線は3往復に、同9往復の羽田-広島と伊丹-松山の2路線は8往復ずつに、同2往復の福岡-札幌線は1往復に、それぞれ減便。1日4往復の関西-札幌線は、一部日程を除き1月5日から2月28日まで2往復に減らす。1日2往復の仙台-札幌線は一部日程で1-1.5往復に減便し、1日1往復ずつの札幌-那覇と仙台-那覇の2路線は、一部日程で運航する。

 運休は1路線で、1日1往復の福岡-石垣線(737-800)は10月31日以降運休となる。同路線は10月31日から、ピーチが運航する。

 増便は3路線で、現在1日16往復の羽田-札幌線を17往復に、同18往復の羽田-福岡線を19往復に、同4往復の伊丹-那覇線を5往復に増便する。

 ANAの平子裕志社長は新型コロナ前の単独インタビューで、「フルサービス航空会社(FSC)の市場をLCCで代替する、という考え方はない」と述べ、ピーチへの路線移管について当時は否定的な見解を示していた(関連記事)。ピーチの森健明CEO(最高経営責任者)も、2020年10月の単独インタビューで「われわれがANAの路線を引き継いで運航する、という発想はまったくない」と述べていた(関連記事)。

 またANAは、ピーチ便とのコードシェア(共同運航)を8月27日から開始。ピーチの運航便にANA便名を付与するもので、当初は成田発着が札幌線(1日3往復)、福岡線(2往復)、那覇線(2往復)の3路線、中部発着が札幌線(1往復)と那覇線(1往復)の計5路線で始める。コードシェアの対象座席は「1便あたり6席程度」(関係者)となる見通し。

国際線

減便が続くANAの国際線=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国際線のうち運休や開設延期となっているのは12路線で、開設延期は羽田発着のサンノゼとストックホルム、ミラノ、イスタンブール、モスクワの5路線。運休は7路線で、成田発着のデュッセルドルフとウラジオストク、パース、チェンナイ、プノンペン、台北(桃園)のほか、関西-香港線も対象となる。

 減便は2路線で、2020年度は週21往復を計画していた羽田-バンコク線は、週7-14往復に減便する。週14往復を計画していた羽田-シンガポール線は、週2-7往復へ減便となる。

貨物

大型貨物需要に対応するANAの777F=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 貨物便は、大型貨物機のボーイング777Fを活用し北米や欧州への貨物便を継続。777Fは上海への定期便のほか、香港と台北、青島への臨時便にも投入し、大型貨物輸送の需要獲得を目指す。

 777Fで運航する成田-シカゴ線は、現在の1日5往復から6往復に増便。成田-フランクフルト線は同2往復を継続する。

 東アジアや東南アジアなど中近距離路線は、中型機の767Fを活用。7月から運航している成田-北京線を週2往復で継続するほか、成田-シンガポール線は現在の1日5往復から6往復に増便する。

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全日本空輸
ピーチ・アビエーション

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