エアライン, 解説・コラム — 2021年8月19日 11:35 JST

「一歩先を追い求める人に入社して欲しい」スターフライヤー機長が求める人物像

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 スターフライヤー(SFJ/7G、9206)が運航していたエアバスA320型機の8号機(登録記号JA08MC)が7月に日本を離れ、米アリゾナ州ツーソンへ到着した。2012年に初めて自社購入機として導入した機体で、翌2013年の就航を念頭に計画していた北九州-グアム線に投入するため、洋上を長時間飛行する際に必要な航空当局の承認「ETOPS(イートップス)」を初めて取得するなど、同社初の取り組みも多く、社員にとっては思い出深い機体だった。

北九州空港から女満別空港に到着したスターフライヤーのA320 8号機JA08MCの前に並ぶ齊藤九五機長(左)と田子真也副操縦士=21年7月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同社の本社がある北九州空港から経由地の女満別空港まで、フェリーフライトを担当した齊藤九五機長にとって、副操縦士昇格から間もない時期にやってきた8号機は、共に歩んだ思い出深い機体だった。航空会社は採用が厳しい状況だが、将来どのような人にスターフライヤーのパイロットを目指して欲しいかも、8号機の思い出とともに聞いた。

—記事の概要—
初の購入機
「やる気がある人を大事にしてくれる」

初の購入機

 8号機はその後、2014年にセール・アンド・リースバックでリース契約に切り替えたため、期間満了による退役となった。初便は2012年12月22日の北九州発釜山行き7G301便で、最後の商業運航は今年4月19日の羽田発北九州行き7G87便だった。同社ではこれまで、リース契約が満了になると本社のある北九州空港で機体を返却していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で外国籍のパイロットが入国が難しくなり、自社で米国まで空輸することになった。

北九州空港に初めて着陸するスターフライヤーのA320 8号機=12年12月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ロゴを消し北九州空港で出発を待つスターフライヤーのA320 8号機JA08MC=21年7月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 7月27日のフェリーフライトは、社員の希望で8号機の登録記号「JA08MC」にちなみ、「サンキューゼロハチ」から7G3908便という便名が付けられた。北九州空港を出発後、女満別空港、アンカレッジを経て、最終目的地のツーソンへ向かった。

 女満別までは齊藤機長(PIC、左席)と田子真也副操縦士が操縦し、女満別からは宇田川憲明機長と張間義弘機長に交代した。北九州から女満別までは若手パイロットが務め、ツーソンまでは国際線の乗務経験が豊富なベテランキャプテンによるフライトになった。

 当紙はこのうち、北九州から女満別までのフェリーフライトに同乗した。齊藤機長は2011年11月入社で、2012年10月の副操縦士昇格を経て、2018年10月に機長昇格した。8号機は、齊藤機長が副操縦士に昇格して間もないころにやってきた機体だった。

女満別空港でスターフライヤーのA320 8号機JA08MCの前に並ぶ(左から)宇田川憲明機長、張間義弘機長、齊藤九五機長、田子真也副操縦士=21年7月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

「やる気がある人を大事にしてくれる」

 スターフライヤーの定期便が就航していない女満別空港は初めてのフライトで、「かなり準備しましたが、新しい空港に降りられるのはうれしいですね」(齊藤機長)と、準備の大変さを超える喜びがあるという。

北九州空港からスターフライヤーのA320 8号機JA08MCを離陸させる齊藤機長(左)と田子副操縦士=21年7月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

世界初のプラネタリウム鑑賞フライトの参加者に飛行ルートを説明する齊藤機長=20年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 「8号機は足回りがお気に入りで、パイロットの評判が良かったです。着陸時の接地も気持ちよく着陸させてくれる機体でした」と、近い時期に受領したほかの機体と比べ、足回りの良さが印象的だったという。

 齊藤機長は、2020年10月17日にスターフライヤーが世界初となる機内でプラネタリウム鑑賞するフライト「Starlight Flight produced by MEGASTAR」を北九州発着で実施した際、企画段階からルート選定などに携わり、当日の操縦を担当。出発前に格納庫で開かれた搭乗者向けのイベントでは、自ら飛行ルートなどを解説した。

 今回のフェリーフライトは、8号機が日本を離れることを耳にした時から担当したいと思っていたところ、乗務が決まったという。齊藤機長は「やる気がある人を大事にしてくれる会社です」と、スターフライヤーの社風をこう表現した。

 パイロットとして、今後の採用時にはどんな人に入社して欲しいのだろうか。「基本をしっかりした上で、一歩先を追い求める人に入って欲しいですね。“職人”だけで満足せず、おもてなしなど一歩進める職人になりたい人に来て欲しいです」という。

 「しっかりやっていれば、イベントに参加できるかもしれません」と、単に飛行機を飛ばすだけでなく、フライトを通じて何かを実現したい人を挙げた。

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