エアライン, ボーイング, 機体 — 2021年7月27日 06:00 JST

春秋航空日本、新路線は中国本土中心に 国内線は増機後、米澤新社長「日中間の架け橋に」

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 日本航空(JAL/JL、9201)グループのLCC・春秋航空日本(SJO/IJ)の新社長に就任した米澤章氏は7月26日、新規路線について、中国本土への国際線を中心に検討する姿勢を示した。中古のボーイング737-800型機の増機後は中国国内の未就航地のほか、国内線も拡充も検討し、新型コロナ後の需要回復を目指す。

春秋航空日本の新社長に就任した米澤氏=21年7月26日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
中国特化型LCC、本土路線で需要回復目指す
コロナ後も中国で高まる日本人気
続く債務超過、コスト削減急務

中国特化型LCC、本土路線で需要回復目指す

 春秋航空日本は、成田空港を拠点として2014年8月1日に就航。中国最大のLCCである春秋航空(CQH/9C)の子会社として発足し、JALはこれまで出資比率で約5%の出資にとどめていたが、議決権ベースで66.7%に高めて過半数を取得し、6月29日に連結子会社化した。春秋航空は33.3%の出資となる。JALグループで中国に特化したLCCとして、現在は直行便が就航していない中国の人口4000万人から10万人規模の都市への就航を検討していく。

現在は6機保有する春秋航空日本の737-800=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 同社は現在、737-800(1クラス189席)を6機保有している。今後はモデルチェンジにより新造機の導入が難しい737-800の中古機を、1年に1機ずつの導入を検討。3年間で9機体制を構築する。

 成田空港から、国内線は札幌、広島、佐賀の3路線、国際線はハルビン、寧波、上海、南京、重慶、武漢、天津の7路線を開設している。以前は高松と関西の国内2路線も運航していたが、現在は撤退している。

 再就航を含めた国内新路線について、米澤社長は自社をJALグループで中国に特化したLCCだとした上で「基本的には中国本土との路線を増やしていきたい。国内線は増機後に検討したい」と述べるにとどめた。米澤社長によると、国内線は需要のほか、運航乗務員の資格取得用にも運航しているという。資格取得には「着陸回数が必要」とし、乗員計画に合わせて便数も策定するようだ。

 JALグループLCCのジェットスター・ジャパン(JJP/GK)とは、成田-札幌(新千歳)線と成田-上海(浦東)線の2路線が重複している。「(ジェットスターとは)法律上、路線調整ができない」とした上で、「(重複している2路線は)需要が太い路線。ジェットスターとともに需要を掘り起こす」と述べ、運航を継続するとした。

コロナ後も中国で高まる日本人気

 JAL出身の米澤新社長は、1984年4月にJALへ入社。上海支店長や路線計画部長を経て、2011年6月から執行役員国際路線事業本部長、2018年4月から同中国地区総代表を歴任し、今年3月31日付で総代表を退任した。春秋航空日本の新社長には、JALの連結子会社となった6月29日に就任した。

 米澤社長はJAL在籍時に上海支店長を務めるなど、計6年間赴任した経験がある。中国国内では新型コロナ後の旅行先として、日本の人気が高まっている事例を挙げ、「コロナ後の需要をしっかり取り込んでいきたい。中国国内のホワイトスポット(未就航地)から送客することで需要を底上げし、“日中間の架け橋”となる」と意気込みを語った。

 米澤社長によると、中国の国内線需要は新型コロナ前となる2019年の水準に「完全に戻っている」という。現在は運休している国際線の発着枠(スロット)を国内線に割り振るところもあるようで「順調に完全に回復しているとみていい」との認識を示した。一方で国際線は回復が遅れているものの、2023年にはコロナ前に戻るとみている。

続く債務超過、コスト削減急務

今後は連携を模索するJALグループのLCC 3社=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 春秋航空日本の2021年3月期決算(第9期、20年1月から21年3月)は、純損益が75億4133万円の赤字(前期19年12月期は27億5000万円の赤字)だった。負債が資産を上回る債務超過が続いており、コスト削減が急務だ。

 米澤社長はコスト削減について、JALグループに入ったスケールメリットを実現させたいとした。「燃料などはJAL本体と共同で調達することで価格が下がる。LCCの優っているところは残し、JALのいいところは活用する」と述べ、「けちくさく、どろくさく」(米澤社長)コスト削減を進める。JALグループ入り後は「しっかりと安全運航し、黒字化することでグループに貢献したい」と抱負を述べた。

 今後は中長距離LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)と、国内線を中心に運航するジェットスター・ジャパンを含めたグループのLCC 3社で連携を模索する。米澤社長は「意見交換を密にして考えれば、いい知恵が浮かんでくるのではないか」と」述べ、世界でも例が少ないLCC同士の連携に前向きな姿勢を見せた。

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