エアライン, ボーイング, 機体 — 2021年6月4日 16:02 JST

ボーイングとアラスカ航空、737MAXで環境飛行試験

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 ボーイングとアラスカ航空(ASA/AS)は現地時間6月3日、737 MAXを使った環境性能の向上などにつながる技術の飛行試験「エコデモンストレータ―・プログラム」を共同で始めると発表した。オゾン層への影響を抑えた新しい消化剤の実験や、大気中の温室効果ガスの観測など、20種類の技術を今夏から5カ月間の飛行試験で検証する。

ボーイングとアラスカ航空がエコデモンストレータ―・プログラムを実施する737 MAX(ボーイング提供)

 機体は737-9(737 MAX 9)を使用し、飛行試験後は旅客機仕様でアラスカ航空に引き渡す。燃料は通常のジェット燃料とSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)を混合したものを使う。

 大気中の温室効果ガスの観測は、米国海洋大気庁(NOAA)と協力して実施。機体関係では、エンジンの騒音低減を目指してエンジンを覆うカバー「エンジンナセル」内の音響効果を調査する。また、客室の側壁には次世代大型旅客機777Xの主翼製造に使われた軽量で丈夫な炭素繊維複合材をリサイクルして利用し、燃費効率の向上と二酸化炭素(CO2)排出量削減につなげる。

 消火剤の実験では、現在のハロン1301に代わりオゾン層への影響を大幅に削減する新しい消火剤を試験する。

 ボーイングは、2012年にエコデモンストレータ―・プログラムを立ち上げた。アラスカ航空は、シアトル・タコマ国際空港を拠点としている。ボーイングによると、今回の実験には日本企業は参画していないという。

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Boeing
ボーイング・ジャパン
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