エアライン, ボーイング, 機体 — 2021年1月25日 23:53 JST

アラスカ航空、737MAX初受領 3月の就航前に5週間訓練

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 アラスカ航空(ASA/AS)は現地時間1月25日、ボーイング737-9型機(737 MAX 9)の初号機(登録記号N913AKを受領したと発表した。14日にシアトルのボーイング・フィールドにあるボーイング・デリバリー・センターから、同社の拠点であるシアトル・タコマ国際空港までを同社の経営陣を乗せて1時間弱フライトした。5週間の訓練後3月1日に就航し、シアトル-サンディエゴ線とロサンゼルス線に投入する。

アラスカ航空の737-9初号機(同社提供)

 座席数は3クラス178席で、ファーストクラス16席、プレミアムクラス24席、メインキャビン138席。アラスカ航空のベン・ミニクッチ社長は「最新の737に搭乗し、家路につくことができたことを誇りに思う。この飛行機は我々の未来の重要な一部分だ。我々は737 MAXを、ボーイングを、そして社員を信じている。お客様を安全にお迎えするため、今後5週間の訓練を行う予定だ」とコメントした。

 アラスカ航空のパイロットは、アラスカやハワイを含む米国内各地で50時間以上、約1万9000マイルを飛行し、737 MAXの性能を試す。これらのテスト飛行で、アラスカ航空の安全性評価とFAA(米国連邦航空局)の評価を確認し、さまざまな気候や地形で機体の能力を十分に理解するために行われる。また、パイロットはフライト前に737 MAXの飛行特性などの訓練を8時間受ける。整備士は、737 MAXと従来型の737-900など737NG(次世代737)との違いを把握する訓練を最低40時間受ける。

 3月1日からは、シアトル-サンディエゴ線とロサンゼルス線に毎日投入する予定。2号機は3月下旬に受領する見通しで、年内に13機体制を計画している。その後、2022年に30機、2023年に13機、2024年に12機を受領する見込み。

 アラスカ航空は、2012年10月に32機の737-9を確定発注し、37機をオプション契約。昨年12月22日に確定発注23機とオプション15機を追加発注し、これまでの発注やリース契約を合わせると総数120機になった。一方で、ヴァージン・アメリカの買収で加わったエアバス機の一部を売却し、737-9で置き換える。

アラスカ航空の737-9初号機(同社提供)

 737-9は従来型のエアバスA320型機と比べて燃費が20%改善し、1座席あたりのCO2(二酸化炭素)排出量が20%減少するという。また、アラスカ航空が運航するA320よりも航続距離が600マイル(約965キロ)伸び、直行便路線の拡充や新たな就航地の可能性が広がるとしている。

 737 MAXは737の発展型で、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用。翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備え、客室内装はLED照明や大型の手荷物収納棚など、787と同等のものを取り入れた「ボーイング・スカイ・インテリア」を採用している。

 標準型は737-800の後継となる2016年1月に初飛行した737-8(737 MAX 8、1クラス189席)で、もっとも胴体が短い機体で737-700の後継機737-7(737 MAX 7、同172席)、従来型では胴体がもっとも長かった737-900ERの後継機737-9(737 MAX 9、同220席)があり、2019年11月には胴体長が最長となる737-10(737 MAX 10、同230席)がロールアウトした。

関連リンク
Preparing for the Boeing 737 MAX to safely join our fleet
Alaska Airlines
Boeing
ボーイング・ジャパン

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