エアライン, 解説・コラム — 2020年10月8日 11:57 JST

JAL赤坂社長「うちのCAは優秀」客室乗務員1000人活用し地域事業本部新設 非航空系1000億円目指す

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 日本航空(JAL/JL、9201)は10月7日、余剰となっている客室乗務員約1000人を活用して地域活性化を進める新たな部署「地域事業本部」を11月1日付で発足させると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で旅客需要が落ち込む中、地方への観光需要喚起に向けた取り組みや、ドローンを活用した物流などの事業化を進める。5年後には現在の貨物事業と同等の1000億円程度の売上規模を目指す。

都内で開いた記者会見で地域事業本部について説明するJALの赤坂祐二社長=20年10月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
定年まで働ける環境
非航空系3割

定年まで働ける環境

 JALは新型コロナによる需要減少後、客室乗務員約20人を「ふるさとアンバサダー」として公募。出身地など地域の魅力を発信する取り組みなどを進めている。8月1日付で札幌3人と福岡5人、10月1日付で仙台と高松に2人ずつ、福岡に追加の2人が着任した。7日に都内で会見した赤坂祐二社長は、「地方の支店や営業所では、航空券を売ることに終始していた。このリソースを活用して活躍してもらう」と狙いを語った。地域事業本部の本部長は、路線統括本部レベニューマネジメント担当の本田俊介執行役員が兼務する。

羽田空港に並ぶJALの旅客機=20年4月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 現在国際線は9割弱、国内線が3割が減便や運休となっており、客室乗務員が乗務する機会は限られてきている。4月からはビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使い、教育や訓練を実施して客室乗務員のスキルアップを図ってきたが、赤坂社長は「うちの客室乗務員は非常に優秀。もっと色々なところで活躍してほしい」と、乗務以外のスキルも身につけてもらい、将来的にはマネジメントを担う人材を育てていく狙いもある。1000人の客室乗務員は、乗務と並行して地域事業本部の業務にあたる。

 赤坂社長は9月のAviation Wireによる単独インタビューでも「新型コロナ前からやりたかったことが、マルチタスク化。客室の仕事だけではもったいない。社員の二刀流を目指したい」と、乗務の合間に地上勤務する客室乗務員を増やす姿勢を示していた。現在も機内食や機内サービスの企画などに客室乗務員が携わっているが、今後の収益を支えるとJALが位置づける地域事業に人材を投入する。

 「客室乗務員に限らず、定年まで働ける環境を作りたい。(入社から定年まで)客室乗務員ができるかというと、(結婚や子育てなどで)そうはいかないケースも出てくる。活躍の場を作っていく必要がある」と述べた。一方で、新型コロナ後に需要が回復した際は「乗務に専念する形になるが、採用を考えながらきちんとやっていく体制を作りたい。一過性の話ではない」として、コロナ収束後も体制を維持する方針を示した。

非航空系3割

「うちのCAは優秀」と語るJALの赤坂祐二社長=20年10月7日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 9月のインタビューで、赤坂社長は「非航空系事業は3割くらいまで持っていきたい。コロナで航空事業に頼り切りの事業ポートフォリオを見直すコンセンサスが生まれてきた」と現状を説明していた。地域事業本部をはじめとする非航空系事業の収益を、今後4年から5年かけて1000億円程度まで成長させる。

 地域事業本部では、ドローンによる物流や「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)の事業も進める。ドローン物流は地方や離島などを中心に2023年ごろ、空飛ぶクルマは30キロ程度の短距離と100キロ程度の中距離を移動できるものを2025年ごろに事業化を目指す。こうした次世代エアモビリティ領域では運航管理が不可欠となる。「(ドローンや空飛ぶクルマが)ランダムに飛ぶのはあり得ない」として、これまで航空機の運航で培ってきたノウハウを活かして、運航管理プラットフォームを構築して事業化する。

 赤坂社長は「エアモビリティが地域活性化で重要な要素になると思う」と述べ、地域の魅力を生かした旅行商品の開発と同時に、ドローンなどを活用して地域の課題解決を新たな収益源に育てる。「何もしなければ需要は元に戻らない。国内も今の形だと戻らないが、首都圏一極集中が変わってくれば、新しい需要が生まれる可能性がある」として、地方での在宅勤務や休暇の合間に働く「ワーケーション」などを契機に、新たな需要獲得を目指す。

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