エアライン — 2020年10月7日 21:01 JST

ZIPAIR、ハワイで国際線ノウハウ蓄積 JAL赤坂社長「市場大きい」

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 日本航空(JAL/JL、9201)の赤坂祐二社長は10月7日、100%出資する中長距離LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)について、ハワイ就航がひとつのステップになるとの考えを示した。JALが強みを持つハワイを経て、米西海岸就航を目指す。

ハワイ就航を目指すZIPAIR。写真はフルフラットベッドになる上級クラス「ZIP Full-Flat」=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ZIPAIRの787-8=20年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ZIPAIRは、1路線目の成田-バンコク線を5月14日に就航させる予定だったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で延期。旅客機のボーイング787-8型機に乗客を乗せない貨物専用便を6月3日から運航している。2路線目の成田-ソウル線も、9月12日から貨物専用便として運航している。韓国の航空当局から認可を取得済みで、早ければ10月頭までに旅客便の運航を始める計画だったが、韓国側の防疫態勢などの関係で運航開始に至っていない。

 米国運輸省(DOT)から営業許可を得ている成田-ホノルル線は、10月25日開始の冬ダイヤ期間内を目指す。JALの赤坂社長は「ハワイで国際線のノウハウを作っていきたい。ハワイはマーケットも大きく、JALグループのリソースがたくさんある」と述べた。

 ZIPAIRの787-8は座席数が2クラス290席。フルフラットシートを採用したビジネスクラスにあたる「ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)」が18席、エコノミークラス「Standard(スタンダード)」が272席となる。機内Wi-Fiはあるが、個人用モニター画面は両クラスとも装備していない。

 JAL本体の国内線需要は2021年に回復が本格化し、2022年には新型コロナ前に戻ると見込む。一方で、国際線はJALも加盟するIATA(国際航空運送協会)の予測と同じく2024年の回復を想定しており、長期化した場合も想定した対応を進めている。

 新型コロナ後は、JALのようなフルサービス航空会社(FSC)を利用する観光需要が、これまでの水準までは戻らないと予測。今後は低価格運賃を求める人の観光需要を、ZIPAIRや50%出資するジェットスター・ジャパン(JJP/GK)、機体整備などを支援している春秋航空日本(SJO/IJ)と連携して取り込んでいく考えを示した。


関連リンク
ZIPAIR Tokyo
日本航空

特集・赤坂社長に聞くJALと新型コロナ
前編「国内線回復は2021年」
後編 “二刀流社員”で反転攻勢

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写真特集・ZIPAIR 787-8の機内
(1)フルフラット上級席ZIP Full-Flatは長時間も快適
(2)個人用モニターなし、タブレット置きと電源完備のレカロ製普通席
(3)LCC初のウォシュレット付きトイレ

制服発表
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機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル
ZIPAIR 787-8 JA822J機内公開 フルフラットシートも