エアライン — 2020年7月3日 14:00 JST

ジェットスター・ジャパン、年内の国内全便復便「厳しい」

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 ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の片岡優社長は7月3日、一部路線で運休中の国内線の全便復便について、年内は厳しいとの見通しを示した。また、8月1日から競合のピーチ・アビエーション(APJ/MM)が参入する成田-宮崎線には、ピーチとの相乗効果を期待する姿勢を見せた。

—記事の概要—
片岡社長「年内100%厳しい」
競合参入の宮崎線「効果出ればいい」

片岡社長「年内100%厳しい」

国内線の全便復便について年内は厳しいとの見通しを示すジェットスター・ジャパンの片岡社長=20年7月3日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 現在は中国から拡散した新型コロナウイルスの影響により、ジェットスターの国内・国際線は、いずれも運休・減便が続いている。このうち国内線は一部路線で減便を継続するものの、7月23日から全23路線の運航を再開。国際線は現在のところ成田-香港線は8月31日まで運休し、ほかの5路線は7月31日までの運休を予定する。

 片岡社長は国内線の全便復便について、「年内に100%の状況に戻るのは厳しい」と述べ、2021年以降に復便する見通しを示した。これに伴い、5月11日から運休している関西-高知線は、国内線の需要が回復し次第復便を検討するとした。同路線は復便のめどは立っておらず、航空券の販売も停止している。

 国内線は3月から減便を開始。当初は「何とか持ちこたえた」(片岡社長)状態だったが、4月7日の緊急事態宣言発令後から、影響が徐々に出始めた。発令により都道府県をまたぐ移動自粛となったことで5月と6月の需要が最も落ち込んだものの、5月25日の緊急事態宣言の解除以降、予約は増えてきているという。

 国内全路線で運航を再開する7月下旬は、計画の7割を復便。8月は7日から17日の繁忙期には全便を運航し、8月全体では8割近くの便を運航できるとの見通しを示した。

競合参入の宮崎線「効果出ればいい」

 成田-宮崎線は、2017年12月21日にジェットスターが開設。同路線の定期便就航は初で、現在は単独路線となる。夏ダイヤでは1日2往復を計画している。一方のピーチは8月1日から1日1往復で運航を開始し、同路線に参入する。

 ピーチの参入について、ジェットスターの片岡社長は「時間帯も違い、競争原理が働く。効果が出ればいい」と述べ、ともに発展させたいとした。

 ジェットスターの成田-宮崎線は現在運休しているが、7月10日から週3往復で復便し、22日からは1日1往復に増便する。ジェットスターは成田発を午後3時15分、宮崎発を午後6時に設定。ピーチは成田発を午前9時30分、宮崎発を午後0時20分としている。

 また7月2日に都内で新型コロナウイルス感染(Covid-19)の新規感染者数が107人となるなど、感染者が増加傾向にある現状について、片岡社長は「東京の人がほかの地域へ行くのを遠慮するし、ほかの地域から東京へ来るのも嫌がる」と、往来の減少を懸念。「東京=悪い、という認識につながる」とし、早期の対策を求めた。

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