エアライン, 需要, 需要予測 — 2020年4月11日 09:00 JST

渡航制限3カ月で航空業界2500万人失業のおそれ IATA試算、旅客収入27兆円減

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 IATA(国際航空運送協会)は、中国から拡散した新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の減少で、航空業界全体の約38%にあたる2500万人の雇用が消失するリスクがあるとの試算結果をこのほど公表した。アレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEO(最高経営責任者)は、「航空会社は存続可能なビジネスでなければならない」と述べ、各国政府に対し航空業界へのさらなる財政支援や債務保証などを要請した。

IATAのジュニアック事務総長(資料写真)=19年6月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 IATAは各国の厳しい渡航制限が3カ月間続く場合、航空会社や旅行会社などで2500万人の雇用が危機にさらされると分析。また、今年の航空会社の旅客収入が前年比44%(2520億ドル=約27兆円)減少するとの見通しも示し、「航空会社は平均して手元に2カ月の現金を持ち、すでに多くの航空会社が大規模操業停止の第3週に入っている」(ジュニアック事務総長)と危機感をあらわにした。

 4-6月期(第2四半期)がもっとも重要とし、最悪の場合は需要が70%減少するとみている。

 感染収束後の業界正常化に向け、IATAは4月末をめどに当局や航空業界を交えた議論の場を設けるという。ジュニアック事務総長は今後の業界課題として、物理的なオペレーション回復の難しさと再度の感染拡大リスクの二つを挙げ、「我々が持つべき目標は、必要に応じてグローバルに実装できる標準的な教訓だ」と強調した。また、「9.11以降に発生した過ちを繰り返したくない」とし、各国当局などとの調整が不可欠であるとの認識を示した。

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