エアライン, 空港 — 2013年4月9日 15:15 JST

DHL、中部に北米と上海便就航 4月末から

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 国際物流大手DHLエクスプレスは4月9日、中部空港(セントレア)から米オハイオ州シンシナティと上海(浦東)に今月末から就航すると発表した。中部から北米への輸送体制を強化する。ソウル(仁川)経由台北行きも数カ月以内を目途に就航する見込み。

握手を交わすDHLエクスプレスのシュー アジア太平洋地区CEO(中央)とDHLジャパンの山川社長(中央左)、中部空港会社の川上社長(中央右)ら=4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 これまで中部から米国へのDHLの輸送網は香港経由で週6便だった。DHLのハブ空港であるシンシナティへ直行便が就航することで、米国向け貨物を集荷翌日に配達できるようになる。シンシナティ便は週5便で、搭載量100トン以上のボーイング747-400F型貨物機を投入する。従来の香港経由便は55トンクラスの767-300だった。DHLエクスプレスのジェリー・シューアジア太平洋地区最高経営責任者(CEO)は「中部と西日本から米国への所要日数は1日短縮できる」と語った。

 中部の出発は午前1時台のため、中部圏での集荷受付を夕方まで延長する。DHLによると、シンシナティのあるオハイオ州周辺には自動車や機械関連など、中部圏の企業が強い分野の日系企業が数百社進出しているという。

 同便の日本行きはシンシナティから成田へ向かうため、米国から首都圏への配達時間を短縮でき、これまで東京23区内のみだった日本到着日の同日配達を首都圏に拡大する。これにより、米国からの所要日数は3日間から2日間に短縮される。

 上海便の就航では、上海周辺地域への翌日配達の確実性が向上。同便はシドニーから成田経由で中部に到着するため、オーストラリア発成田行き貨物の配達日数短縮にもつながる。便数は週4便で当初は767-300F型貨物機で運航し、ソウル・台北便開設後は747-400Fに大型化する計画。

 シンシナティ便と上海便の747-400Fと767-300Fは、DHLの提携航空会社ポーラー・エア・カーゴ(PAC)が運航。767-300Fは新造機を導入する。ソウル・台北便開設後の就航機数は、747-400Fが3機、767-300Fが2機の計5機となる。

 DHLは2006年に中部に荷受施設を開設し、国際物流大手では唯一中部に就航。中部空港会社では4月から16年3月31日までの3年間、国際貨物便の着陸料を80%割り引く優遇措置を導入しており、DHLは適用第1号となった。空港会社の川上博社長は「貨物営業を強化している。24時間運用できるセントレアの強みを生かしていきたい」と語った。

運航ルート
・シンシナティ→成田→ソウル→台北→ソウル→中部→シンシナティ(747-400F)
・シドニー→成田→中部→上海→成田→シドニー(767-300F/747-400F)
・台北→中部→ソウル→台北(767-300F)

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