エアライン, 企業, 空港 — 2019年10月17日 16:24 JST

JAL、羽田で次世代電動車いすの自動運転試験 11月に1タミ、20年度実用化目指す

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 日本航空(JAL/JL、9201)と日本空港ビルデング(9706)、WHILL(横浜市)の3社は、羽田空港で電動車いすの自動運転による試験走行を、11月2日と3日に実施する。2020年度中の実用化を視野に試験を進める。

羽田での試験走行に使用する電動車いすのイメージ(JAL提供)

 場所は羽田第1ターミナル南ウイングの3-9番搭乗口とコンコース間。JALグループ便の乗客で、車いすを利用していたり、長距離を歩くことに不安を感じている人が対象で、WHILが開発した「自動運転システム」に乗りたい人に体験してもらう。

 WHILLの自動運転システムは、1人乗りの「パーソナルモビリティ」に自動運転・自動停止機能などを搭載し、デザイン性と走破性に優れた点が特徴の「自動運転モデル」と、複数台を管理・運用するシステムで構成。自動運転モデルに搭載したセンサー群で周囲の状況を検知して自動停止したり、あらかじめ収集した地図情報とセンサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせ、自動走行を行う。空港や駅、商業施設などの大型施設での利用を視野に入れて開発したという。

 JALは、すべての乗客が空港内を待ち時間なくシームレスに移動できる「JAL SMART AIRPORT」の実現を目指している。また、自宅から目的地までをシームレスでストレスフリーに移動できる環境を構築し、旅先での滞在体験をより豊かにするよう、移動を利用者にとって一元的なサービスと捉える概念「MaaS(Mobility as a Service)」が利用できる社会環境の実現も目指している。

 日本空港ビルは、2016年に官民連携で「Haneda Robotics Lab」を開設。空港でのロボット活用を世界に発信しており、WHILLも実証実験プロジェクトに選ばれた。WHILLはパーソナルモビリティと自動運転システムを提供することで、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動を改善する取り込みを進めている。

 3社は今後、2020年度中の空港での自動運転パーソナルモビリティの商業化や実用化を目指す。

羽田での試験走行に使用する電動車いすを空港など大型施設内で使用するイメージ(JAL提供)

関連リンク
日本航空
Haneda Robotics Lab
羽田空港国内線旅客ターミナル
WHILL

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