エアライン, 空港, 解説・コラム — 2013年4月2日 22:58 JST

成田離着陸制限の弾力化、NAAの中期計画にも反映

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 成田国際空港会社(NAA)は4月1日、成田空港の離発着制限(カーフュー)の弾力化について、3月28日に発表した2013年度から2カ年の中期経営計画に反映した。

カーフューの弾力的運用を開始した成田空港=13年1月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 成田での離発着は午前6時から午後11時まで。この制限が昨年7月就航のジェットスター・ジャパン(JJP)や8月就航のエアアジア・ジャパン(WAJ)の低コスト航空会社(LCC)2社で欠航が多発する要因になっていた。

 カーフューの弾力的運用は3月29日に国と千葉県、成田空港周辺9市町、NAAの4者で合意。遅延や成田への引き返しが生じた際、午後11時台の離着陸が認められるようになった。午前0時台から同5時台は従来通りで、緊急時ややむを得ない場合以外は離着陸が行えない。対象機材はボーイング737、767、787、777、エアバスA320、A330、A380など低騒音機に定められた機体に限られるが、航空会社に制限は設けない。また、通常の着陸料に加えて同額がペナルティーとして上乗せされる。

 NAAでは、中期計画にある航空会社のニーズへの対応として、カーフューの弾力的運用に向けた取り組みを進めるとしていたが、合意に伴い運用を進める趣旨の文言に改めた。地域社会への貢献に向けての項目でも、弾力的運用に関する内容を追加した。

 NAAの中期計画では、2年後の15年度に連結ROA(総資産営業利益率)を4.2%以上、連結長期債務残高を5200億円以下とするなどの経営目標を策定。14年度中の年間発着回数30万回化を実現するため、15年3月末までにLCC専用ターミナルを整備し、フルサービス航空会社(FSC)に対しては3大アライアンスの拠点化対応、A380就航施設の整備などを挙げている。また、着陸料引き下げも記されているが、航空会社の経営者からは「着陸料が安くなっても、賃料などが上がるから負担は変わらない」という声も出ている。

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