空港 — 2019年6月19日 17:15 JST

成田空港、赤外線カメラで滑走路点検 速度4倍、内部空洞も発見

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 成田国際空港会社(NAA)は7月から、滑走路と誘導路の点検に赤外線カメラを搭載した点検車を導入する。アスファルト舗装の内部をカメラで読み取ることで、従来の目視点検と比較し4倍の速度で点検できるようになる。導入に先立つ6月19日に、点検車を報道関係者に公開した。

7月からAMCOが導入する赤外線点検車=19年6月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

7月からAMCOが導入する赤外線点検車に搭載するカメラ=19年6月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 健全な状態の舗装の場合、表面に温度の違いは表れない。舗装内部に空洞などが発生した「内部変状」がある場合、舗装表面に温度差が出る。赤外線を使用した点検はこの特性を活かし、舗装表面の温度差を測定することで内部変状の推定が可能となる。

 点検車に搭載するのは、舗装路面の温度分布がはっきりと検出できる「冷却型高感度」の赤外線カメラで、点検車の屋根に設置。地上3.6メートルの高さからアスファルトの表面を読み取る。

 点検の対象となるのは誘導路と滑走路の約170万平米。現在は時速7キロで走行する点検車上から、午後11時30分から翌日午前5時20分まで点検し、7日間で一巡する。このほか、破損が発生しやすい特定の範囲12万平米を時速2キロで移動しながら、作業員の目視と打音により点検している。

 赤外線点検車は時速30キロで移動する。カメラが検出した内部変状を車内に搭載した計測機器に送信する。計測機器は地表温度や内部変状での温度の変化を表示するほか、点検が終了した滑走路や誘導路を緑色で表示する。

 従来は表面に変状がないと発見は困難だった。また人間の能力に頼るため、作業員の知見と経験が必要だった。赤外線カメラの導入により異常を自動で検出し、点検レベルの高度化が図られるほか、点検速度の向上にもつながる。

 点検はこれまで同様、NAAグループのエアポートメンテナンスサービス(AMCO)が請け負う。赤外線カメラでの点検は、10月27日から始まる冬ダイヤで決定している運用時間の延長後、本格的に導入する。

 成田空港は10月27日から、運用時間を1時間延長。午前0時までに拡大する。今後はB滑走路の延伸や第3滑走路(C滑走路)の新設も予定している。

7月からAMCOが導入する赤外線点検車=19年6月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

赤外線点検車に搭載した計測機器が示す点検が終了した誘導路=19年6月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

赤外線点検車に搭載した計測機器が示す地表温度(左)と内部変状部分の温度(右)=19年6月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

従来方法の目視と打音で点検するAMCOの作業員=19年6月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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