エチオピア政府は現地時間4月4日、エチオピア航空(ETH/ET)のET302便(ボーイング737 MAX 8、登録記号ET-AVJ)が3月10日に墜落した事故について、暫定報告書を公表した。報告書によると、パイロットの操縦は手順通りで、ボーイングに機体を制御する「MCAS(操縦特性向上システム)」に不具合が起きていなかったかを調査するよう求めた。

エチオピア航空の737 MAX 8のイメージイラスト(ボーイング提供)
暫定報告書の公表を受け、エチオピア航空は「われわれのパイロットが、航空機で発生したもっとも困難な緊急事態に対処するため、ボーイングが推奨し、FAA(米国連邦航空局)が承認した緊急時の手順に従っていたことを明確に示した。彼らの努力と処置にもかかわらず、機首下げ状態から回復できなかったことは非常に残念」との声明を発表した。
ボーイングのデニス・マレンバーグ会長、社長兼CEO(最高経営責任者)も声明を発表。MCASのソフトウェア改修について、「今後数週間のうちに、全世界の737 MAXに対して認証と実装を予想している」と語った。ボーイングはMCASに関する訓練や教材の拡充、パイロットがいつでもMCASを無効化できる改修を実施するとしている。
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