エアライン, 解説・コラム — 2018年8月27日 21:59 JST

ハワイアン航空、JALとの共同事業19年春視野 副社長「競争促進できる」

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 ハワイアン航空(HAL/HA)のテオ・パナジオトゥリアス・グローバルセールス&アライアンス上級副社長は都内で8月27日、日本航空(JAL/JL、9201)との日本-ハワイ線での独占禁止法適用除外(ATI)について、夏ダイヤが始まる2019年3月までに認可を得ることに期待感を示した。

—記事の概要—
JALとのJV認可で競争促進
中国運休「短期的でも損失厳しい」

JALとのJV認可で競争促進

JALとのJVについて説明するハワイアン航空のパナジオトゥリアス副社長=18年8月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ハワイアンとJALは、包括的業務提携の契約を2017年9月26日に締結。今年の夏ダイヤ初日となる3月25日から、コードシェア(共同運航)とラウンジの相互利用を始めた。6月15日に申請したATIが、国土交通省と米国運輸省(DOT)から認められると、運賃や運航スケジュールなど、現状よりも深い部分で連携が可能な共同事業(JV)を展開できるようになる。

 パナジオトゥリアス氏は、「当局次第だが、これまでの経過を見ていると、9カ月から18カ月くらいはかかるだろう。9カ月に近いところで認められれば」と述べ、2019年の夏ダイヤ開始までの実現に期待を寄せた。マイレージの相互利用は、数カ月以内に実現できる見通しだという。

 両社がJVを計画する背景には、全日本空輸(ANA/NH)がエアバスA380型機をホノルル路線に2019年春から投入し、ユナイテッド航空(UAL/UA)とのJVを通じて航空券を販売していくことが挙げられる。

 パナジオトゥリアス氏は、「我々とJALとのATIを申請した際、ANAとユナイテッドによるJVとの競争を促せると当局に説明した」と、JALとのJVが実現すれば競争を促進できると当局に訴えたという。

中国運休「短期的でも損失厳しい」

 ハワイアンは今年7月に、国際線事業を展開するグローバルオフィス機能を、本社のあるホノルルから東京に移転。パナジオトゥリアス氏も7月1日付で東京勤務となり、1カ月のうち3週間は東京をベースにほかの就航地などを訪れ、残り1週間を本社勤務にしているという。ハワイ路線の2017年の年間提供座席数で、ハワイアンが23%のシェアを占めるなど、日本市場は同社の国際線事業で重要度が高い市場だ。

 一方、成長が見込まれる中国本土唯一の路線で、2014年4月に就航したホノルル-北京線(週3往復)は、10月から運休する。再就航に向け、現地の事務所や代理店との関係は維持していく。

 パナジオトゥリアス氏は、「我々が期待していたように、中国の需要が伸びなかった。我々は大手航空会社と異なり、短期的であっても損失計上は財務面で難しい」と説明。再参入については、「いつかは具体的に決まっていないが、需要が伸び始めた時期だ」と語った。

 これに対し、日本市場での成功は「長年の戦略的投資の成果」(パナジオトゥリアス氏)と述べ、JALとのJV開始後は利便性やサービスの向上、路線網拡大などにつなげていくという。

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