エアライン, 解説・コラム — 2013年1月7日 12:30 JST

スカイマーク、ビジネスジェット参入検討 14年に737余剰機で

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 スカイマーク(SKY、9204)は富裕層や企業を対象としたビジネスジェット市場への参入検討を始めた。2014年からのエアバスA330-300型機導入に伴い、余剰となるボーイング737-800型機(177席)を2機程度転用する見込み。

スカイマークの737 ETOPS取得機=12年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 SKY幹部によると「余剰機を(リース会社へ)リースバックするかビジネスジェット市場に参入するか検討を進めている」といい、737を転用する場合は30席程度のビジネスジェット仕様の内装に改修する。1日あたりの運賃は200万円前後と、ファーストクラス利用者が同伴者の運賃を含めて比較した際に競争力がある価格を調査しているという。

 拠点は首都圏初のビジネスジェット専用ターミナル「プレミアゲート」を12年3月31日にオープンした成田空港で、国内やアジアなど近距離の海外への利用をターゲットにする。

 SKYでは、双発機のエンジンが1基停止しても洋上飛行が可能な「ETOPS(イートップス)」取得機を数機保有しているため、これらを改修すればグアムなど長時間洋上を飛行する目的地へも運航できる。国内で運航中の機体では、類似のものとして全日本空輸(ANA、9202)が成田-ヤンゴン線で運航している全席ビジネスクラスのボーイング737-700ER型機(34、36、38席)があるが、同機のように航続距離を伸ばすために補助燃料タンクを追加搭載する改修は行わないようだ。また、現時点では改修対象機は特定していないという。

 737の機数は13年上期までに31機体制となり、A330は14年1-3月期から15年7-9月期までに10機体制とする。A330は全機リースで2、3カ月に1機ずつ受領し、リース期限が切れた737はリース会社へ返却する計画。A330はビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス構成で、羽田と札幌、福岡、沖縄を結ぶ幹線に投入し、現在取りこぼしている利用客を取り込むほか、ANAのプレミアムクラスや日本航空(JAL、9201)のファーストクラスやクラスJ利用客の獲得も狙う。

 海外ではルフトハンザ ドイツ航空(DLH)や大韓航空(KAL)などがビジネスジェット市場に参入しており、収益源の一部となっている。

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