エアライン, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2016年4月8日 22:50 JST

窓付きトイレの贅沢仕様737-700ER 特集・さよならANAビジネスジェット(後編)

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 (前編からのつづき)。日本に2機しかない、ほぼ全席をビジネスクラスにしたボーイング737-700ER型機「ANA BusinessJet(ANAビジネスジェット)」が3月27日、ひっそりと退役した。

 2007年3月の就航から9年で退役。最後まで運航していた成田-ムンバイ線(NH829/830便)の機材を、ボーイング787-8型機(169席:ビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席)へ大型化したためで、成田発・ムンバイ発とも26日が最終便となった。

機体前方左側に設けられた化粧室には窓がある。ビジネスジェットの名にふさわしい豪華装備だ=16年3月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—後編記事の概要—
冬場は福岡経由でムンバイへ
不具合を起こさないでくれ。頼むぞ!
ビックリするほど大きな積乱雲
“元祖”窓付き化粧室
記事内の写真70枚

前編記事の概要—
2号機は全席ビジネス
浮き上がると大差ない

冬場は福岡経由でムンバイへ

 ANAビジネスジェットとして就航した737-700ERは、冬場は成田空港からムンバイへ向かう途中、偏西風の影響のため、燃料を給油する「テクニカルランディング(テクラン)」を実施する。2015年度は12月1日から2月29日までで、福岡空港で給油後にムンバイへ飛び立つ。

14年までは特別塗装だったANAビジネスジェット=10年12月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 就航当初は長崎空港でテクランが行われていたが、フライト時に障害となる物件がなくなったことで、設備が充実している福岡を使用するようになった。当時737-700ERを運航していたのは、旧エアーニッポン(ANK)のクルー。運航本部フライトオペレーションセンターのB737部班長、得津伸一郎機長もANK出身で、長崎と福岡の違いをこう話す。

 「福岡は整備体制が整っており、パーツの在庫も抱負です。何かあった時に整備にかかれる人数が多いだけではなく、パーツを届けてもらう場合も定期便が多いのは良かったですね」。ANAの羽田-長崎線は現在1日8往復(うち4往復がソラシドエアのコードシェア便)で、福岡線は1日26往復(うち8往復がスターフライヤーのコードシェア便)と長崎線と比べて便数が約3倍で、737を整備できる羽田から何かを運ぶにしても利便性が高い。

 もう一つは空港内のロビーだという。「お客様にとっては日本最後の滞在です。ロビーも福岡の方が広いですからね」と、乗客にとっても福岡の方が快適に過ごせる。

 737-700ERの航続距離は通常の737-700と比べて約2倍。冬場の3カ月間を除くと、成田からムンバイまで直行便で飛べる機体だった。

不具合を起こさないでくれ。頼むぞ!

 機体の操縦特性については、得津機長は「浮き上がると操縦していて大差はなかったですね」と、通常の737-700との違いは離陸して上昇し終えるまでだったと話す(前編参照)。

ANAビジネスジェットを操縦してきた得津機長=16年3月23日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 テクランがなければ成田からムンバイまでは約11時間のフライト。出発前、機体を点検していると「これからよろしく! 不具合を起こさないでくれ。頼むぞ!」と、自然と機体に声を掛けていたという。

 これといった不具合もなく、2機で好不調の差もない737-700ER。長時間のフライトになるため、無事ムンバイまで飛んで欲しいという気持ちで一杯だった。

 一方で、パイロットは常に緊急時の対応を念頭に飛ばなければならない。737-700ERには、燃料を


これより先は会員の方のみご覧いただけます。

無料会員は、有料記事を月あたり3記事まで無料でご覧いただけます。
有料会員は、すべての有料記事をご覧いただけます。

会員の方はログインしてご覧ください。
ご登録のない方は、無料会員登録すると続きをお読みいただけます。

無料会員として登録後、有料会員登録も希望する方は、会員用ページよりログイン後、有料会員登録をお願い致します。

会員としてログイン
 ログイン状態を保存する  

* 会員には、無料個人会員および有料個人会員、有料法人会員の3種類ございます。
 これらの会員になるには、最初に無料会員としての登録が必要です。
 購読料はこちらをご覧ください。

* 有料会員と無料会員、非会員の違いは下記の通りです。
・有料会員:会員限定記事を含む全記事を閲覧可能
・無料会員:会員限定記事は月3本まで閲覧可能
・非会員:会員限定記事以外を閲覧可能

* 法人会員登録は、こちらからお問い合わせください。
* 法人の会員登録は有料のみです。

無料会員登録
* 利用規約 に同意する。
*必須項目新聞社や通信社のニュースサイトに掲載された航空業界に関する記事をピックアップした無料メールニュース。土日祝日を除き毎日配信しています。サンプルはこちら
登録内容が反映されるまでにお時間をいただくことがございます。あらかじめご了承ください。