ルフトハンザ グループとエア・インディア(AIC/AI)は現地時間2月17日、将来の共同事業契約(JBA:ジョイント・ビジネス・アグリーメント)の締結に向けた覚書(MoU)を結んだと発表した。ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)をはじめとするグループ各社と、エア・インディアおよびエア・インディア エクスプレスを対象に、欧印間ネットワークの拡大や共同販売、顧客サービスの連携を進める枠組みを整える。両社は航空連合「スターアライアンス」に加盟している。

ジョイントベンチャーの契約締結に向け覚書を締結したルフトハンザ グループとエアインディア(両社提供)
—記事の概要—
・FTAで拡大する第2の長距離市場
・スイスやITAも
FTAで拡大する第2の長距離市場
今回の覚書は、世界で最も人口が多いインドとEU(欧州連合)の間で最近妥結したFTA(自由貿易協定)を踏まえたもの。EU諸国はインドにとって最大の貿易相手で、貿易額は年1800億ユーロ規模にのぼる。両経済圏は世界人口とGDP(国内総生産)のいずれも約4分の1を占めており、ルフトハンザは今回のFTAにより「世界最大の自由貿易圏が形成された」としている。

米国に次ぐ長距離プレミアム市場のインドを強化するルフトハンザ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ルフトハンザにとって、欧州とインドを結ぶネットワークは、米国路線に次ぐ2番目に重要な長距離プレミアム市場だという。インド市場は中間層の拡大を背景に航空需要の伸びが最も大きい市場のひとつとされ、今回の協業強化で同市場へのアクセス拡大と競争力向上を図る。
第1段階では、ルフトハンザ グループがホームマーケットと位置づけるドイツ、オーストリア、スイス、ベルギー、イタリアとインドを結ぶ路線が対象。これらの市場で提供するフライトをエア・インディアと共同で拡充し、運賃や商品を共同で販売するほか、乗り継ぎ時間の短縮などにつなげ、欧州とインドを結ぶ旅客の利便性向上を目指す。
将来的には、第2段階として対象範囲を他のEU加盟国とインド亜大陸全体へ広げる構想を持つ。具体的な路線や市場の範囲は、商業的なJBAの合意がまとまった後に決めるとしており、実施には規制当局や独占禁止当局の承認が必要になる。
スイスやITAも
現在、ルフトハンザ グループ各社とエア・インディアは、22カ国146路線でコードシェア(共同運航)を実施。共同ネットワークはインド15都市と欧州27都市で構成し、ルフトハンザはフランクフルトからインドのデリー、ムンバイ、チェンナイ、バンガロール、ハイデラバードへ、ミュンヘンからデリー、ムンバイ、バンガロールへ運航する。

ルフトハンザ傘下となったITAエアウェイズ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
スイス インターナショナルエアラインズ(SWR/LX)は、チューリッヒ-デリー、ムンバイの2路線を運航し、ルフトハンザ グループの新メンバーであるイタリアのITAエアウェイズ(ITY/AZ)は、ローマ-デリー線を展開している。
エア・インディアはインド発欧州向け長距離網として、デリーからフランクフルト、チューリッヒ、ウィーン、ミラノへ、ムンバイからはフランクフルトへ運航している。両グループは既存のコードシェア網を土台に、座席供給や乗り継ぎ経路の最適化を進める。
今後の協業分野としては、主要市場での運航スケジュールやネットワークの調整により、乗り継ぎ時間を短縮して接続性を高める。また、欧州とインドを結ぶ路線で販売・マーケティング活動を共同で実施するほか、マイレージプログラムの連携強化や空港での手続きの最適化なども検討する。
ルフトハンザは1959年にデリーへ就航して以来、インドとの関係を拡大してきた。2004年にはエア・インディアとのコードシェアを開始し、2014年にはルフトハンザが共同創設したスターアライアンスにエア・インディアが加盟した。2025年2月にはルフトハンザ、スイス インターナショナル エアラインズ、オーストリア航空(AUA/OS)とエア・インディアのコードシェア拡大を発表しており、今回の覚書は両グループによる戦略的パートナーシップ拡充となる。
関連リンク
Lufthansa Group
ルフトハンザ ドイツ航空
Air India
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