エアバスは現地時間12月30日、スペイン航空宇宙軍の次期訓練システム「ITS-C」の開発を主導すると発表した。戦闘機パイロット育成用練習機として運用しているF-5戦闘機が老朽化したことから、後継機としてTAI(トルコ航空宇宙産業)のジェット練習機「HURJET(ヒュルジェット)」30機を導入する。

スペインがF-5後継機として選定したTAI製HURJET(同社提供)
契約はエアバスとTAIが共同で主導。機体製造はTAIが担当する一方、エアバスは「ナショナル・コーディネーター」として、スペイン国内でのシステム統合や主権確保を担う。
導入は2段階で進める。第1段階は「初期構成」の30機を受領。2028年から2029年にかけてスペインでの型式証明を取得し、航空宇宙軍へ引き渡す。
第2段階は、スペイン独自の仕様へ改修。2031年後半から2035年にかけて、ミッションシステムやアビオニクス、武装シミュレーターなどを換装した30機を再納入する。
改修作業は、最初の2機をヘタフェにあるエアバスの施設で実施。残り28機は国内に新設する改修センターで行い、技術移転と国内産業の育成を図る。
2028年には、タラベラ・ラ・レアル空軍基地に地上訓練システム(GBTS)も構築。2基のミッションシミュレーターなどを導入し、実機と連動した最新の訓練環境を整備する。

スペインがF-5後継機として選定したTAI製HURJET(エアバス提供)

スペインがF-5後継機として選定したTAI製HURJET(同社提供)

スペインがF-5後継機として選定したTAI製HURJET(同社提供)
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