エアバス, 機体 — 2014年6月4日 19:20 JST

エアバス、A350 XWBの長距離飛行テスト完了

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 エアバスは現地時間6月4日、A350 XWBの3機目となる試験機(MSN2)を使った初期長距離飛行に成功したと発表した。今月2日と3日に計2回実施され、それぞれエールフランス航空(AFR/AF)とルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)の客室乗務員が乗務した。

A350の初期長距離飛行で機内サービスをするエールフランスの客室乗務員=6月2日 PHOTO: H. Gousse, Master Films/Airbus

初期長距離飛行に搭乗する乗客ら=6月2日 PHOTO: H. Gousse, Master Films/Airbus

 初期長距離飛行は、A350 XWBの商業運航に向けた重要な過程。型式証明取得には含まれないが、就航前にフライト中の客室環境やシステムの状況を評価することで、航空会社による商業運航の初日からA350 XWBを確実に運航できるようにするためのもの。

 今回の初期長距離飛行は、仏トゥールーズで実施。1回目は6月2日の日中に7時間実施し、2回目は夜の時間帯に12時間飛行した。

 2回の飛行では、エアバスの従業員合計500人が乗客として搭乗。エアバスと装備品メーカーから客室の専門家約30人も搭乗し、空調や照明、防音環境、機内エンターテインメント(IFE)、ギャレー、電気システム、ラバトリー、排水システムなどを確認した。

 同試験機(MSN2)は、客室を装備する2機のA350 XWB試験機のうちの1機。ビジネスクラスとエコノミークラスを備えた2クラス制の客室で計252席を装備する。今回の初期長距離飛行は、航空会社による通常の商業運航を想定して実施された。

 A350 XWBは今年の7月-9月期(第3四半期)に型式証明を取得し、カタール航空(QTR/QR)への量産初号機の引き渡しは、10-12月期(第4四半期)を予定している。現在、4機の試験機で計440回以上、約1900時間飛行している。最後の試験機であるMSN5も、今後飛行試験に加わる予定。

 A350 XWBシリーズは3機種で構成。座席数はメーカー標準の3クラス仕様でA350-800が276席、A350-900が315席、A350-1000が369席。5月末時点で世界39社から計812機の受注を獲得している。

初期長距離飛行では機器の作動状況も確認=6月2日 PHOTO: H. Gousse, Master Films/Airbus

シートのIFEを操作する乗客=6月2日 PHOTO: H. Gousse, Master Films/Airbus

A350 XWB MSN2=6月2日 PHOTO: F. Lancelot, Master Films/Airbus

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エアバス・ジャパン