エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体, 空港 — 2017年12月25日 10:24 JST

新千歳のJAL機緊急脱出、乗客の多くが手荷物持つ

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 2016年2月23日に、新千歳空港で日本航空(JAL/JL、9201)の福岡行きJL3512便(ボーイング737-800型機、登録番号JA322J)のエンジンから煙が出た際、多くの乗客が手荷物を持ったまま非常脱出しようとしたことが、国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)が12月21日に公表した報告書で明らかになった。

新千歳空港で非常脱出を行ったJL3512便(JTSBの資料から)

JL3512便の推定走行経路(JTSBの資料から)

 2月23日午後3時10分ごろ、福岡行きJL3512便が午後2時34分に新千歳を出発後、雪の影響で駐機場へ引き返した。この時に駐機場近くのT2誘導路を走行中、第2(右)エンジンに不具合が発生。第2エンジン後部から炎が出て煙が機内に入り、異臭がしたことから非常脱出を行った。

 乗客159人と乗員6人の計165人は、前後左右4カ所のドアから脱出用シューターを展開して非常脱出し、午後3時27分までに全員が脱出。乗客1人が重傷、2人が軽いけがを負った。

 JTSBの報告書によると、第2エンジン後部から炎が出た原因として、急激な天候悪化により雪が強く降り、ファンブレードと低圧圧縮機に着氷したため、エンジン内部にエンジンオイルが漏れて霧状になって機内へ流入したことや、漏れ出たエンジンオイルがテールパイプに溜まり、発火したことが考えられるとした。

 非常脱出時には、多くの乗客が客室乗務員の指示に従わず、手荷物を持って出口へ向かった。このため、客室乗務員が手荷物を取り上げ、操縦室ドア前に積み上げられた。

 また、操縦室ドアを開けることで、乗客の脱出経路が積み上げられた手荷物でふさがれることを危惧し、機長がドアを強引に開けなかったことから、パイロットによる客室での脱出の指揮や援助が行われていなかったとした。

 JTSBは、国土交通省航空局(JCAB)や航空会社に対し、脱出時には手荷物を持たないことを乗客に周知徹底するよう求めた。

手荷物が取り出された非常脱出後のJL3512便の機内(JTSBの資料から)

JL3512便の非常口位置と客室乗務員配置(JTSBの資料から)

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