空港 — 2017年12月18日 12:54 JST

成田空港、実はすごい紙箱クリスマスツリー 導電性インクでLEDともる

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 成田空港に、一風変わったクリスマスツリー「PAPER BOX TREE(光る紙箱ツリー)」が登場した。紙製の箱には電気を通すインクで回路がプリントされ、スピーカーが内蔵されていないのに、ツリーからクリスマスソングが聞こえてくる。

成田第1ターミナルに飾られたPAPER BOX TREE=17年12月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

PAPER BOX TREEを企画したNAAの宮下さん。箱の内側に配線やスピーカーはなく、表面に電気を流しているだけだ=17年12月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 いったいどうなっているのか。企画した成田国際空港会社(NAA)旅客ターミナル部の宮下祥(あきら)さん(30)に聞いた。

 ツリーを遠くから見ると木製に見えるが、紙でできている。宮下さんをはじめ、紙の専門商社である竹尾(千代田区)と東大発ベンチャーのエレファンテック(文京区)などの15人が中心となり制作したもので、紙製の箱を50箱積み上げた。

 箱には、インクに金属を混ぜた導電性インクで回路をプリント。LEDを接着し、電気を流すとLEDが光る。箱の内側にはLEDに直結する配線はなく、LEDを発光させる電気を表面の回路に流しているだけだ。

 もちろん、スピーカーも箱の中にはない。

成田第2ターミナルに飾られたPAPER BOX TREEからは、超指向性スピーカーの音が反射してクリスマスソングが聞こえる=17年12月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 第2ターミナルのツリーから聞こえるクリスマスソングの出どころは、横に置かれた「超指向性スピーカー」だ。立命館大学の西浦敬信教授の音情報処理研究室が手掛けるスピーカーで、超音波の直進性を利用し、特定の領域だけに音が届く。ツリーに反射したクリスマスソングが、そばにいる人にだけ聞こえる。ツリーのデザインは、博報堂のプロジェクトチームpagesが担当した。

 宮下さんは、NAAでは珍しいキャリア採用で、今年4月入社。冬のターミナル装飾を考えていた際、当初は自宅で子供が遊んでいた「飛び出す絵本」のようなツリーを実現できないかと考え、竹尾の担当者などに相談して検討を進めたという。

 「ほかと同じことをしていて良い時代じゃないですよね。空港から日本の技術を発信できれば」と話す宮下さんは、最終的にPAPER BOX TREEに行き着いた。ツリーは、クリスマス、冬、春と3回演出を変えていく。

 工夫を懲らしたPAPER BOX TREEだが、難点は「伝わりにくいすごい技術」であること。パッと見ただけでは箱を積み重ねただけのように見えてしまうため、宮下さんたちは今後、技術に注目してもらう仕掛けを考えていきたいという。

 PAPER BOX TREEは、第1ターミナル4階中央の5階へ向かうエスカレーター付近と、第2ターミナル3階出発ロビー中央に展示。超指向性スピーカーは、展示スペースの関係で第2ターミナルのみ。

 「すごい技術って、ひと目みてわかりやすいものばかりではありません。継続的に展示することで、成田には日本のすごい技術が展示されている、と認知されるようにしたいです」

 宮下さんのチャレンジは始まったばかりだ。

成田第2ターミナルに飾られたPAPER BOX TREE=17年12月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田第1ターミナルに飾られたPAPER BOX TREE=17年12月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
エレファンテック
竹尾
博報堂 
立命館大学 音情報処理研究室

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