エアライン — 2017年8月22日 19:45 JST

バニラエア、搭乗ポイント導入 航空券購入で付与

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 バニラエア(VNL/JW)は8月22日、搭乗ごとにポイントがたまる会員制度「バニラエア ポイント」の登録受付を始めた。9月1日から運用を開始する。会員登録により、これまで得ていなかった利用者の属性を得ることで、リピーター確保などにつなげていく。

—記事の概要—
利用者属性把握へ
全路線乗れる往復航空券も

利用者属性把握へ

 ポイントは、航空券や座席指定料金、追加の受託手荷物料金の支払時に、100円で1ポイント付与。1ポイントを1円相当として、100ポイント以上たまると100ポイント単位で利用できる。年会費は無料で、有効期限は2年間とした。

ポイント会員制度を発表するバニラエアの山室副社長(中央)と客室乗務員=17年8月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同社ウェブサイトでの購入代金が対象。旅行会社での購入や空港諸税、手数料などは、ポイント付与や利用の対象外となる。ポイントの事後申請は、搭乗後7日以降から90日以内は可能とした。

 バニラの山室美緒子副社長は、「2013年12月の就航から約3年半。残念ながら、今までは何回も利用していた人のプロフィール(属性)を持っていなかった」と述べ、利用者ごとの購入傾向などを把握できていなかったという。

 国内LCCでは、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)やジェットスター・ジャパン(JJP/GK)でも、ポイント制度は導入済み。山室副社長は、利用者からポイント導入を求める声があったとして、「低運賃だけではなく、さまざまなタッチポイントを設け、サービス品質を高め続ける」と語った。

 ポイント制度により、運用コストがかさむ可能性については、「品質が良く、コストが掛からないものを導入した」(山室副社長)として、バニラが導入している予約システムと親和性が高いものを選んだという。

 バニラでは、台北路線など国際線でためたポイントを、国内線運賃の支払いの一部に充てるといった使い方を想定している。

全路線乗れる往復航空券も

 会員登録は、氏名や性別、生年月日、居住国と地域、電子メールアドレス、パスワードなど、項目を絞った。FacebookやLINEのアカウントと連携させることもでき、航空券を購入するごとに氏名などを入力する手間を省く。

 言語は就航先に合わせ、日本語のほか英語、中国語繁体字(台湾・香港)、ベトナム語に対応しており、現地通貨でのポイント付与も、30台湾ドルに対して1ポイントなど、日本円と同水準にそろえた。

他社のポイント制度と比較するバニラエアの山室副社長(中央)と客室乗務員=17年8月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 8月22日から9月30日までに登録すると、全員に100ポイントを付与。12月31日までに搭乗すると、初便のみ運賃の2倍分のポイントをプレゼントする。また、9月30日までに登録した人の中から抽選で2人1組に、バニラの全路線を10月1日から2018年3月24日までの間、1回ずつ利用できる往復航空券が当たる。

 今後の展開については、友人や家族のポイントを合算して使用したり、他社のポイント制度との連携などを検討していくという。

 山室副社長は、「お客様の目が肥えてきており、ニーズに合致していないと、絶対にアウトだ」と語った。また、4月から同じくANAホールディングス(9202)傘下となったピーチのポイント制度との連携について、「お客様にメリットがあれば検討したい。相手(ピーチ)からはノーサンキューと言われてしまうかもしれないが」と述べるにとどめた。

 セール情報についても、「台湾ばかり行く人に、国内線のセールを送り続けても響かない」(山室副社長)として、利用者の動向にマッチした情報を提供することで、利用者の囲い込みを進めていく。

 バニラの機材は、エアバスA320型機が13機で、座席数はいずれも1クラス180席。路線数は14路線で、国内線が成田-札幌線、函館線、関西線、奄美大島線、那覇線、関西-函館線(季節便)、奄美大島線の7路線、国際線は成田-台北(桃園)線、高雄線、香港線、ホーチミン線、セブ線、関西-台北線、那覇-台北線の7路線となっている。

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