エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2017年1月12日 20:40 JST

ピーチ、A320neoで片道4時間以上も 東南アジア拡大視野に

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、2019年4-6月期に初号機を受領するエアバスA320neoの導入に伴い、片道4時間以上の新路線開設を検討していく。これまでは機体の性能などから片道4時間以内を目安に路線計画を進めてきたが、航続距離が伸びる新型機導入により、東南アジアを中心に路線拡大を目指す。

バンコクで取材に応じるピーチの井上CEO=17年1月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ピーチは現在、国際線12路線と国内線14路線の計26路線を、A320(1クラス180席)で運航。2月19日には第2拠点である那覇からバンコクのスワンナプーム国際空港へ就航し、27路線に増える。那覇とバンコクを結ぶLCCの路線は初で、4社ある国内LCCのバンコク就航も初めて。

 2016年11月18日に10機発注したA320neoは、現在ピーチが18機運航しているA320の後継機。新型エンジンと翼端に大型ウイングチップ「シャークレット」により、燃費を15%改善する。エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製「PW1100G-JM」と、CFMインターナショナル製「LEAP-1A」が選択でき、今後選定を進める。

 A320neoは燃費改善のほか、航続距離が6500キロ(3500海里)と、従来のA320の6100キロ(3300海里)よりも伸びる。2012年3月1日の就航以来、ピーチは片道4時間を目安に新路線を開設してきたが、すでに4時間を超える路線も存在している。最長路線は関西-香港線で、関西発便のフライト時間は4時間25分。那覇-バンコク線が就航すると最長を更新し、那覇発便は4時間55分となる。

 バンコクで現地時間1月12日、Aviation Wireなどの取材に応じた井上慎一CEO(最高経営責任者)は、片道4時間以上の路線の可能性について、「収入と費用の面で、著しくバランスが崩れない限りあり得る」と当紙の質問に応じた。関西-バンコク線など既存機では厳しかった路線も、A320neo導入後は展開できる可能性を示唆した。

 ピーチは東南アジアのハブ空港であるバンコクへ就航することで、タイ国内だけではなくベトナムやミャンマー、カンボジア、ラオスなど東南アジア諸国からの訪日需要取り込みを目指す。

運航スケジュール
MM989 那覇(21:20)→バンコク(翌日00:15)
MM990 バンコク(01:15)→那覇(07:30)
*MM989:日曜は25分遅発、水曜と土曜は45分遅発
*MM990:月曜は25分遅発、木曜と日曜は50分遅発

関連リンク
ピーチ・アビエーション

バンコクで説明会
ピーチ、那覇-バンコク2月就航 井上CEO「アジアの架け橋第2段階に」(17年1月13日)

ピーチ関連
ピーチ、バンコク就航へ 2月に那覇から(16年12月9日)
ピーチ、A320neo導入 19年から10機、将来100機体制に(16年11月18日)
エアバス、機体価格1%値上げ A320neoは1.8億ドル(17年1月12日)
ANA、日本初のA320neo就航 羽田から関空、1月から国際線(16年12月26日)