エアライン, ボーイング, 機体 — 2016年8月5日 21:30 JST

キャセイパシフィック航空のジャンボ、羽田発で10月退役 最終出発前に見学会招待

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 キャセイパシフィック航空(CPA/CX)は、「ジャンボ」の愛称で親しまれてきたボーイング747-400型機による最後の商業運航を、10月1日の羽田発香港行きCX543便で実施する。当日朝には、抽選と審査で選ばれた10人を機体見学会に招待する。

10月1日の羽田発香港行きCX543便で退役するキャセイパシフィック航空の747-400=14年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

残り3機、747-8Fは受領中

 キャセイパシフィック航空は747-400の旅客型を2015年に4機退役させ、現在は3機を保有。羽田、成田、台北と香港を結ぶ路線を中心に投入している。貨物型の747-400Fついてはボーイングとの包括契約により、2015年に2機をボーイングに売却済みで、残りの4機も年内に売却する。

 ボーイングの発注リストによると、キャセイパシフィック航空は58機の747を導入。1979年7月20日に747-200Bが初めて引き渡された。747-400は旅客型を17機、貨物型を12機受領。

 747-400の後継機して開発された747-8は、貨物型の747-8Fを14機発注済み。7月末時点で13機を受領しており、747-400Fからの置き換えが進んだ。

FBでキャンペーン

 キャセイパシフィック航空によると、同社は747シリーズで約1億6000万人の乗客を世界各地に運び、総飛行距離は月までの往復2700回に相当するという。香港の啓徳(カイタック)空港を最後に離陸し、現在の香港国際空港に最初に着陸したことから、同社では「747は香港の航空業界の歴史にとって重要な役割を果たし、乗客にも思い出深い機種」としている。

 ラストフライトを記念し、キャセイパシフィック航空のFacebook(フェイスブック)公式ページを利用したキャンペーンを実施。747に関わる思い出を文章や写真、動画を使ってFacebookでシェアしてもらい、応募者の中から抽選と審査で選ばれた10人を、10月1日朝に開かれる機体見学会に招待する。詳細は8月中旬に、キャセイパシフィック航空の公式Facebookで案内するという。最終便となるCX543便が羽田を出発する時刻は、午前10時35分が定刻となっている。

 同社によると、747退役記念の香港へのパッケージツアーが、旅行会社で販売中だという。

 キャセイパシフィック航空は、747の退役計画を1年前倒しして実施。同社は今後の国際線用機材として、エアバスA350 XWBを46機発注済み。内訳は標準型のA350-900が20機、長胴型のA350-1000を26機で、A350-900の初号機(登録番号B-LRA)は、5月30日に受領した。同社では、A350-900を年内に12機受領する予定で、A350-1000は2018年以降の導入となる見通し。

苦境続くジャンボ、BAは客室更新

 ジャンボの愛称で親しまれた747は、燃油費の高騰や飛行機の技術的な進歩により、世界的に退役が進んでいる。日本では、全日本空輸(ANA/NH)が2014年3月31日に運航した那覇発羽田行きNH126便を最後に、旅客型が全機退役。現在日本国内で運航されている747は、政府専用機と日本貨物航空(NCA/KZ)の貨物型のみとなった。

 また、ボーイングは7月27日にSEC(米国証券取引委員会)へ提出した書類で、747-8の受注が今後見込めない場合、製造中止を検討する方針を明らかにした。航空貨物需要の世界的な低迷が、現在の主力である貨物型747-8Fの受注苦戦につながっているほか、燃費が良く運航コストが抑えられるA350などの双発大型機の台頭が、エンジンが4基あるジャンボを苦境に立たせている。

 こうした中、ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)は、18機の747-400の客室を刷新。8月3日に最後の改修を終えたと発表した。改修後の座席数は4クラス275席で、ファースト14席とビジネス86席、プレミアムエコノミー30席、エコノミー145席とした。改修前との比較でビジネスを16席増やし、エコノミーを40席減らしている。

運航スケジュール
CX542 香港(16:25)→羽田(21:35)
CX543 羽田(10:35)→香港(14:10)

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