エアライン, 空港 — 2015年8月20日 09:11 JST

ANA、羽田-大島撤退 不採算整理で国際線強化へ

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 全日本空輸(ANA/NH)は8月19日、10月25日に始まる冬ダイヤから、羽田-大島線と中部-函館線、広島-札幌線の3路線を運休すると発表した。大島空港からは撤退する。中部-函館線と広島-札幌線は、エア・ドゥ(ADO/HD)へ路線を移管し、コードシェア(共同運航)を実施する。

羽田-大島線から撤退するANA=13年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 羽田-大島線は、1955年に就航。現在はボーイング737-700型機(120席:プレミアムクラス8席、普通席112席)で、1日1往復運航している。2014年度の搭乗率は14.1%で、提供座席数7万8220席に対して、乗客は1万1033人だった。直近6月の搭乗率も10.4%で、国土交通省航空局(JCAB)の統計でも、2014年4-6月期以降、全国でロードファクター(座席利用率)がもっとも低い路線となっていた。

 ANAの大島撤退により、都内から大島への空の便は、新中央航空の調布-大島線(ドルニエ228-212、19席)のみとなる。

 また、ANAが運航する伊豆諸島路線は、冬ダイヤからは羽田-八丈島線のみになる(1日3往復、A320と737-800)。羽田-三宅島線は、2014年3月31日にグループのANAウイングス(AKX)が運航するボンバルディアQ300(DHC-8-300)型機(56席)が退役したことで運休。三宅島空港から撤退している。

 一方、中部-函館線と広島-札幌線は、エア・ドゥ(ADO/HD)が冬ダイヤから路線を開設。中部-札幌線もエア・ドゥが新設することで、不採算路線の減便や撤退を進める。

 ANAの親会社であるANAホールディングス(9202)は2015年3月31日現在、エア・ドゥに13.61%出資。筆頭株主である日本政策投資銀行(DBJ)の32.49%に次ぐ出資割合となっている。

 ANAは、国際線の提供座席数を2016年度に同社では初めて、国内線と同等にする計画を進めている。成長が見込めない国内線は、「シェア維持と徹底した効率化」を掲げていることから、エア・ドゥとのコードシェアを拡大することで、国際線に経営資源を振り向けるとみられる。

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