フジドリームエアラインズ(FDA/JH)の9号機となるエンブラエル175型機(E175、登録番号JA09FJ)が3月23日午後4時5分、県営名古屋空港(小牧)に到着した。同社の機体は1機ごとに色が異なるのが特徴で、9号機はFDAが事前に提示していた5色のうち、ゴールドだった。
5.5%燃費改善
同社では機体色の正解を選んだ人の中から、抽選で9号機の模型やお披露目会招待などをプレゼントするキャンペーンを実施。ゴールドとシルバー、エメラルドグリーン、ブルー、ネイビーブルーの5色が候補だった。
9号機は燃費を5.5%改善する「フューエル・バーン・インプルーブメント(パッケージ2)」が施された日本初の機体。主翼端のウイングレットが大型化した「ウイングチップ」となり、全幅が従来より2.65メートル広がり、28.65メートルになった。
翼端の赤(左側)と緑(右側)の「ナビゲーションライト」は、LEDを採用して小型化。胴体底部にある吸気口などの形状も変更し、空力特性を改善している。また、パッケージ2には、主脚に格納時用カバーを追加することで燃費を改善した「パッケージ1」の改良も含まれている。エンジンは従来のE175と同じGE製CF34-8Eを搭載し、座席数も既存機と同じ84席とした。
このほかに、GPS情報を基に位置情報や高度、速度などを送信する装置「ADS-B OUT」や、大気中の電磁気や静電気などを機体上部のアンテナで検知し、天気レーダー上に雷の状況を示す「ライトニングセンサー」を備える。
初便は青森行き
9号機は現地時間3月19日、ブラジルのサン・ジョゼ・ドス・カンポスを出発。20日にブラジルのナタールとカーボベルデのサル島、21日にスペインのアルメリア、キプロス共和国のラルナカ、22日にアラブ首長国連邦のドバイ、インドのコルカタ、23日にベトナムのホーチミン、香港を経由し、県営名古屋空港には23日午後4時1分に着陸した。
ブラジルから名古屋までのフェリーフライト(回送)は、エンブラエルの機長2人が担当。FDAの領収検査員の整備士4人と、コーディネーター1人を乗せた9号機が到着すると、客室乗務員から2人の機長に花束がプレゼントされた。
運航開始は25日で、名古屋(小牧)を午前7時45分に出発する青森行きJH361便が初便となる予定。その後、JH362便で名古屋へ戻り、名古屋-熊本線(JH325/326便)、名古屋-花巻線(JH357/358便)へ投入する。
静岡発着便では、4月3日の福岡発静岡行きJH148便が、松本発着便は4月3日の福岡発松本行きJH202便が、それぞれ初便に計画されている。
FDAは9号機のほか、E170型機(76席)を3機、E175を5機保有し、機体ごとに異なる塗装を施している。1号機(E170、登録番号JA01FJ)はドリームレッド、2号機(E170、同JA02FJ)はライトブルー、3号機(E175、同JA03FJ)はピンク、4号機(E170、同JA04FJ)はグリーン、5号機(E175、同JA05FJ)はオレンジ、6号機(E175、同JA06FJ)はパープル、7号機(E175、同JA07FJ)はイエロー、8号機(E175、同JA08FJ)はティーグリーン。7号機と8号機は、燃費改善策のパッケージ1が施されている。
2014年7月にE175を3機発注しており、今回到着した9号機はこの中の1機。今後毎年3月に、10号機と11号機を順次受領していく。
*写真特集を別途掲載しています。
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関連リンク
フジドリームエアラインズ
Embraer
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