エアバス, エアライン, 機体 — 2014年12月7日 09:35 JST

スターフライヤー、北九州空港などRNAV運航 A320で国内初、飛行経路短縮

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 スターフライヤー(SFJ/7G、9206)は、国内では初めてエアバスA320型機での高規格RNAV進入方式(RNP ARアプローチ)の航行許可を国土交通省航空局(JCAB)から取得し、12月1日から北九州空港と羽田空港、山口宇部空港で運航を始めた。

RNP ARアプローチの航行許可を取得したスターフライヤーのA320=14年2月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 飛行経路が約27マイル(50キロメートル)短縮されることで、目的地へ到着する時間も7分から8分早まり、燃料消費量も約320ポンド(185リットル)削減できる。

 RNP AR(Required Navigation Performance Authorization Required)アプローチは、航空用の衛星(GPS)位置情報などを航空機に搭載した航法コンピューターで処理・監視しながら、目的地の飛行場に設定された飛行経路を正確に飛行して着陸する運航方式。

 これまで北九州空港では、雨や霧などで視程が悪い場合、管制官による誘導で空港に接近した後、滑走路端から発射される電波(ILS)を捉えて自機の位置を確認しながら着陸していた。RNP ARアプローチでは、設定された進入経路から0.3マイル(約500メートル)以上はずれるとコンピューターが警告するため、空港へ近づく際も管制官による誘導を必要としない。

 最終進入経路も、10キロメートルから20キロメートルの長い直線区間が不要となり、曲線を描いて正確に滑走路へ進入できる。

 SFJによると、飛行経路や飛行時間の短縮や燃料消費量の削減のほか、進入時に海上側に飛行経路を設定できるため、騒音対策上も効果があるという。また、空港付近の障害物から保護された経路を、自動操縦装置と連動して正確に飛行することから、運航乗務員は計器類による運航状況の監視に専念でき、異常が発生した場合も対処しやすくなり、従来以上に高い安全性が確保されるとしている。

 SFJは現在、9機のA320を運航中。このうち、今回JCABからRNP ARアプローチの許可を受けた機体は同社のA320のうち、通算7号機目から13号機目(登録番号JA07MC、JA08MC、JA09MC、JA20MC、JA21MC、JA22MC、JA23MC)の計7機で、残り2機(JA05MCとJA06MC)については、今後申請を検討する。

 3空港のうち、羽田については深夜時間帯にD滑走路(23)へ着陸する際のみ実施する。

北九州空港のILS アプローチ(左)とRNP ARアプローチ(スターフライヤーの資料から)

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