エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2014年10月2日 18:25 JST

スカイマーク、A380契約問題を10月解決へ エアバスは大手出資求めず

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 スカイマーク(SKY/BC、9204)は10月2日、日本経済新聞が同日報じたエアバスとのA380型機の契約解除問題について、違約金の減額交渉を進めていることが事実だと認めた。

A380問題の10月解決を目指すスカイマーク=14年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 SKYの西久保愼一社長がフランスへ渡り、9月29日にエアバス幹部と会談。A380の契約解除について、10月末までに交渉を終える方向で合意した。7億ドル(約756億円)にのぼる違約金などキャンセル条件についても、SKYが東証1部への上場を維持できるよう、エアバスが配慮するという。

 SKYは上場を維持した上で業績回復を図り、違約金を支払う。エアバスでは、4号機まで引き渡している計10機のA330-300型機については、現在のところ取引を継続させるようだ。

 A380をSKYは2011年に6機発注。投資予定額は総額1915億8500万円としており、これまでに265億円をエアバスに支払い済み。

 初号機は4月に初飛行しており、2号機まで生産が進んでいた。SKYの支払いは4月から滞り、7月29日にエアバスが契約を解除した。

 関係者によると、今回の交渉でエアバスはSKYに対して、他の航空会社からの出資などの条件は提示しなかったという。

 一方で、SKYの2014年4-6月期(第1四半期)決算は、純損益が57億9500万円の赤字(前年同期は12億4100万円の赤字)だった。現在の経営状態から、SKYは大手航空会社から独立した経営が維持できれば、外部からの出資受け入れは前向きに検討するとみられる。

 2日の終値は前日比7円(3.57%)高の203円で、出来高は545万5000株。時価総額は185億4157万3400円となった。年初来高値は1月10日の465円で、年初来安値は8月12日の153円。

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【訂正】
違約金の想定額が初出時に700億ドルとなっていましたが、正しくは7億ドルです。日本円表記は初出時より正しい額です。お詫びして訂正します。(2014年10月2日 20:10 JST)

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