ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2025年12月9日 10:13 JST

エアバス、スピリットのA350・A220関連拠点取得 欧米など6地域

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 エアバスは現地時間12月8日、スピリット・エアロシステムズから自社の民間機プログラムに関連する6つの拠点・資産を取得したと発表した。ボーイングによる同社の買収完了に伴い、A350やA220などに関わる重要な製造業務を自社傘下に取り込むもので、北米や欧州、モロッコにある施設が新たにエアバスの一部となった。

ボーイングによるスピリット買収完了に伴いA350などの関連拠点・資産を取得したエアバス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 対象は、A350の胴体部位を製造する米ノースカロライナ州キンストン拠点をエアバス・エアロシステムズ・キンストンとし、仏サン=ナゼール拠点(エアバス・アトランティック・カドレアン)、A321とA220の部品を製造するモロッコ・カサブランカ拠点(エアバス・アトランティック・マロック・エアロ)、A220の翼と中胴を生産する北アイルランド・ベルファスト拠点(エアバス・ベルファスト)とした。

 また、スコットランド・プレストウィックのA320とA350の翼部品製造拠点も「プレストウィック・エアロシステムズ」として系列会社に加える。また、カンザス州ウィチタでのA220のパイロン(エンジン架台)の製造は、仏トゥールーズのサンテロワ工場へ移管する。

 エアバスは、今回の取得で約4000人の従業員を新たに迎え入れる。また、買収契約に基づき4億3900万ドルの補償を受け取り、引き渡し後の精算手続きも行う。契約には、一定の債務に対する補填も含まれている。

 エアバスで民間機事業のオペレーション部門を統括するフロラン・マスー副社長は「新たな同僚を迎え、当社の製造事業における新たな章を共に築いていけることを誇りに思う」とコメントした。

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