エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2025年11月4日 07:15 JST

JAL、A350-1000初の海外重整備 3号機が11/4羽田帰着

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 日本航空(JAL/JL、9201)は、長距離国際線に投入している最新鋭機エアバスA350-1000型機の海外整備を始めた。自動車の車検に例えられる「重整備」のうち「C-CHECK(Cチェック)」と呼ばれるもので、2024年4月に就航した3号機(JA03WJ)が最初の機体となった。11月4日昼に羽田へ帰着する見通し。

JALのA350-1000で初めて海外で重整備を受ける3号機JA03WJ=24年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 重整備はおおむね1年半から2年ごとに実施。JALのA350-1000は2024年1月24日に就航し、これまでは羽田でJALの100%子会社JALエンジニアリング(JALEC)が実施しており、最初の重整備となった2号機(JA02WJ)が今年3月下旬から4月中旬、2機目の初号機(JA01WJ)は8月に行われた。3機目の3号機は、初めて海外の委託先での作業となった。

 3号機は現地時間10月15日にパリを出発し、翌16日に羽田へ到着したJL46便に投入後、羽田から委託先のあるシンガポールのチャンギ国際空港へ16日夜にJL8155便として出発。シンガポールの整備会社SASCO(ST Aerospace Services)が重整備を行い、4日午前4時43分(日本時間午前5時43分)ごろチャンギをJL8158便として出発した。羽田への到着は4日午後0時5分ごろを予定している。

羽田の格納庫でJALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ=25年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJの個室タイプのビジネスクラスを整備する整備士=25年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

重整備の受けるため羽田の格納庫に入るJALのA350-1000初号機JA01WJ=25年8月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALはA350の標準型であるA350-900を国内線、長胴型のA350-1000を国際線に導入。A350-900も海外での重整備を始めており、今年1月に中国・厦門(アモイ)のHAECOで初号機(JA01XJ)を整備したのを皮切りに、7月にはSASCOで12号機(JA12XJ)の重整備を実施した。

 JALはボーイング777型機の後継機として、A350を2013年10月7日に発注。A350-900を18機、A350-1000を13機の計31機を確定発注し、オプション(仮発注)で25機購入する契約を締結した。現在A350-900は国内線用に17機(うち13号機は羽田事故で全損)、A350-1000は長距離国際線用に10機受領済み。フラッグシップのA350-1000は今年度に11機となり、2027年度には777-300ERと同数の全13機がそろう見通し。

 2027年度からは国際線仕様のA350-900の受領を計画。2024年7月に追加発注した20機で、北米・アジア・インドを中心とした国際線に投入する。

関連リンク
JAL国際線 AIRBUS A350-1000
日本航空

A350-1000の重整備
JAL A350-1000初号機、就航以来の赤いロゴ終了 重整備で格納庫入り(25年8月2日)
「就航したての機体のように」JAL A350-1000初の重整備完了へ、2号機ロゴなしに(25年4月15日)

写真特集・初回Cチェック迎えたJAL A350-900
前編 主脚扉裏にはステップ(21年12月31日)
後編 グレーの普通席、布を外すと赤だった(21年12月31日)

A350-1000
JAL A350-1000 10号機就航、初便はダラスへ 年度内11機に(25年7月29日)
JAL A350-1000、25年度3機増で11機体制「パリや西海岸展開したい」(24年11月1日)

A350-900
JAL A350-900、17号機就航で16機体制復活 羽田事故から1年7カ月ぶり(25年8月22日)

追加発注
JAL、エアバス機31機正式発注 A350-900追加と初導入A321neo(24年7月23日)